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自民総裁選…埋もれる谷垣氏!抗争再燃のはざまで
2012.09.03
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20120903/plt1209030620000-n1.htm
(全文引用)

 自民党の石原伸晃幹事長が2日、党総裁選(14日告示、26日投開票)への出馬に意欲を示したことで、派閥の分裂を回避するため石原氏の擁立に本腰を入 れ始めた党重鎮らと、安倍晋三元首相や石破茂政調会長らを推す中堅・若手層との世代間抗争の色彩が浮かび上がってきた。そのはざまで、再選を目指す谷垣 禎一総裁は苦しい立場に追い込まれている。

 2日のテレビ朝日の番組に出演した森喜朗元首相はいつも以上に冗舌だった。

 再選を目指す谷垣氏について「限界がある。(再選支持の)気持ちはがらっと変わった」とばっさり。

  8月28日に森氏に総裁選出馬の考えを伝えた安倍氏については「国民に、自分の体の関係で首相を辞めたことの説明ができているのかどうか」と語り、「憲法 改正や教育の見直しをしたいという理想は素晴らしいが、安倍さんの力を示すのに首相にならなければならないことはない」と牽制(けんせい)。

 森氏が実質的なオーナーであり、安倍氏も所属する清和政策研究会(町村派)会長の町村信孝元官房長官にも自重を求め、「(町村、安倍両氏の)2人とも抑えているところだ。どちらも出るというのは(町村派の)みんなが迷惑する」と強調したのだ。

  両氏の間で調整がつかない場合、森氏ら党重鎮や派閥領袖(りょうしゅう)は幹事長の石原氏を担ぎ出そうとしている。石原氏はベテランへの配慮を欠かさず、 重鎮世代の評価が高い。後ろ盾には人気の高い父、石原慎太郎東京都知事もいる。その石原知事は2日のフジテレビ番組で「幹事長を辞めてもっとはっきりモノ をいえといっている」と石原氏にハッパをかけた。

 ただ、森氏ら重鎮世代が表立って動き出せば、党改革を訴えてきた中堅・若手らが反発を強めかねない。

 安倍氏や石破氏は若手や党員の人気が高い。まして今回の総裁選は、国会議員票は200票で、党員・党友に割り振られた地方票300票のほうが比重が高い。

  「重鎮世代VS中堅・若手世代」という構図が強まることについては石原氏自身も、周辺に「若手の支援が得にくくなる」と懸念を漏らしており、“重鎮世代の 候補”との見方を薄める演出として、石原氏支持の「勁草(けいそう)の会」の中堅議員ら十数人が、5日にも石原氏に出馬を要請する方針だ。

 一方で、5候補が出馬の意欲を示す混戦模様に、早くも決選投票を見越した動きも出ている。石破氏を支援する議員グループが安倍氏陣営に6日の勉強会の共同開催を打診したのだ。ただ、主導権をめぐって両陣営がつばぜり合いを続けており、調整はついていない。

  そんな中で現職の谷垣氏の出遅れ感は否めず、多数派工作も厳しい状況だ。3日にも出身派閥の宏池会古賀派)の古賀誠会長と会い、支持を求めるが、協力が 得られなくても出馬に踏み切る考えを伝える方針。その場合、世代間抗争から一定の距離を置く「中間派」が発生する可能性もあるため、これらの中間派議員ら の支持を集めて再選への活路を開く構えだ