【2013年 永田町大解剖】「安倍リベンジ内閣」にみる覚悟 景気回復できなければ行き詰まる★(上){zakzak}

zakzak
ホーム>http://www.zakzak.co.jp/
【2013年 永田町大解剖】「安倍リベンジ内閣」にみる覚悟 景気回復できなければ行き詰まる★(上)
2013.01.06
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20130106/plt1301060709000-n1.htm
▼全文引用

 「安倍リベンジ内閣」

 顔ぶれ以上に、安倍晋三首相の並々ならぬ発言内容からそう命名した。「再チャレンジ内閣」という専門家も多いが、意味するところは同じだ。

 私があえて「リベンジ」というのは、志半ばで体調不良を理由に辞任した5年前が残念無念で、どうしても「歴史に残る首相」の称号が欲しいのではないかと見受けられるからだ。人事からそれが読み取れる。

 まずは、景気回復。麻生太郎副総理兼財務・金融相、甘利明経済再生相という実力者を置いた。

 目に見えるぐらいの景気回復がなければ、今夏の参院選での勝利は難しい。放っておけば必ず衆院選自民党を勝たせ過ぎた反動が来るからだ。それでは、衆参のねじれ解消どころか、思うような国会運営ができず行き詰まりかねない。景気回復が安倍内閣の1丁目1番地というゆえんだ。

 次に国防軍の設置。外交・防衛の必要性を問うために象徴的に掲げたものだろう。そこには岸田文雄外相小野寺五典防衛相を充てた。堅実で実直な政策通だが、それでいて身勝手ではなく相談できる2人を配置した。外交防衛は、安倍首相自らが担当するという人事に見える。事実、少し前に口に出した尖閣諸島への公務員常駐、靖国神社公式参拝などを中国の反応で矛先を丸めたように、相手国の出方で方針を変えている。その責任をすべて安倍首相が受け止めるつもりなのだろう。

 視線の先には祖父・岸信介元首相がなしえなかった憲法改正を自らの手で実現し、祖父超えを切望しているようにも見える。

 気になるのが古屋圭司拉致担当相だ。長らく「拉致議連」の幹事長で、「完全解決なくして北朝鮮の支援なし」が信念だ。安倍首相自身も小泉内閣官房副長官として訪朝し交渉に当たった。同行した飯島勲政務秘書官(当時)を内閣官房参与に招きスクラムを組む。解決に向かえば、国民の支持は堅固になる。

 女性議員の登用で、自民党が変わったという印象を国民に発信した。総裁選を競った石原伸晃環境相林芳正農水相の入閣や石破茂幹事長の起用、麻生氏と谷垣禎一法相という総裁経験者を入閣させた。極めてしたたかで、辞任した前回の轍は踏まないという「リベンジ」もうかがえる。

 本物の胆力がついただろうか。期待してみたい。(政治評論家・有馬晴海

zakzak ホーム>http://www.zakzak.co.jp/