【コラム】筆洗2013年1月4日{東京新聞 TOKYO WEB}

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【コラム】筆洗2013年1月4日
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▼全文引用

 数年前のにぎわいが幻のようだ。生活の党の小沢一郎氏が元日、東京都内の私邸で恒例の新年会を開いたが、出席した現職国会議員は十数人。二年前の約百二十人から十分の一に減ってしまった▼政権党の幹事長として権勢を誇った三年前には、当時の菅直人副総理、平野博文官房長官ら閣僚を含む百六十六人が、ひれ伏すかのごとく「小沢詣で」をしたのだから隔世の感がある▼幹事長時代、小沢氏は参院選自民党にとどめを刺し、政権基盤を固めることに集中した。百戦錬磨の政治家らしい判断だったが、菅首相が唐突に消費税増税を訴えたことが響き、民主党は惨敗した。振り返れば大きな分岐点だった▼民主党を離党した小沢氏が主導して脱原発の民意の受け皿として、急ごしらえで結党された日本未来の党は総選挙で敗れた。その後の分裂騒動は、小選挙区比例代表で六百四十万余りの票を投じた有権者への裏切りだった▼再び政権を取った安倍晋三首相は、憲法改正に強い意欲を見せる。衆院に続き、改憲に必要な三分の二の勢力を与えるのか。七月の参院選は、日本の針路を左右する重要な選挙になる▼新年会で小沢氏は「自民党の独り勝ちを許すわけにはいかない」と語り、野党で候補者を調整する必要があると語った。「壊し屋」の実績をまた一つ積み上げた小沢氏に、その力がまだ残っているのか。
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