緊迫増す尖閣…自衛艦&P3Cも出動!不測の事態も

zakzak
ホーム>http://www.zakzak.co.jp/ 
緊迫増す尖閣自衛艦&P3Cも出動!不測の事態も
2012.09.18
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20120918/plt1209181810002-n1.htm
▼全文引用

日本政府による沖縄県尖閣諸島国有化に抗議する中国の過激な反日運動が収まらない。対抗措置として中国の漁船計1000隻が尖閣に向かっているほか、満州事変の発端となった1931年の柳条湖事件から丸81年の18日、少なくとも71の都市で反日デモが広がった。防衛省ではP3C哨戒機が警戒を続け、自衛艦尖閣に近い領域に向かわせるなど厳戒態勢を敷いている。 

■緊迫の尖閣

 押し寄せる大群、高まる緊張感−。東シナ海での休漁期間終了に伴い、浙江省福建省などの中国漁船、計1000隻が18日か19日、尖閣諸島付近の海域に到着する。

 18日午前6時50分ごろ、尖閣諸島魚釣島北北西約43キロの接続水域で、中国の漁業監視船「漁政35001」が航行しているのを海上保安庁の巡視船が確認した。政府は首相官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置し、海上保安庁は警戒を強めている。

 海保によると、中国の監視船に対し、領海に入らないよう警告したところ、尖閣諸島について「中国固有の領土だ」と中国語で応答。「われわれは正当な業務を実施している。あなたたちはこの海域を離れてください」とも話した。

 海保では、すでに複数の巡視船を尖閣周辺に配置し、警戒を強め、漁船が領海に侵入した場合は「退去を呼びかけ、応じなければ検挙するなど上陸を阻止する」(海保関係者)などの対策を取る。防衛省ではP3C哨戒機が周辺海域の警戒を続け、事態が海保の行使能力を超えた場合を踏まえ、自衛艦尖閣に近い海域に移動させた。

 厳戒態勢を敷いてはいるが、大量の漁船が一度に尖閣周辺の日本領海に侵入する事態になると、海保の巡視船との衝突など不測の事態を招く恐れがあり、日中間の緊張が高まりそうだ。

 衝突を避けられても、「南シナ海でのベトナム、フィリピンの領有権問題でも中国は漁船を大量動員し、長期滞在させている」(同)だけに長期戦になる可能性がある。

 一方、18日午前9時半ごろ、日本人とみられる2人が尖閣諸島魚釣島に上陸。乗ってきた小型船から海に飛び込んで泳ぎ着いたとみられ、海保が小型船を立ち入り検査した。沖縄県警などによると、2人は17日夜、石垣島を出港した鹿児島県の会社経営の男性らとみられるという。

■71都市でデモ

 満州事変の発端となった1931年の柳条湖事件から18日で丸81年。事件が起きた中国遼寧省瀋陽市では記念式典を開催した。

 瀋陽の日本総領事館近くで同日午前、2000人規模のデモが発生。北京の日本大使館前では5000人規模が集結、1人がバリケードを越え、大使館に突入しようとし、武装警察隊に阻止された。

 上海の日総領事館周辺でも「日本を滅ぼし沖縄を取り戻せ」などと書かれたプラカードを掲げ、デモ隊1000人超がシュプレヒコールを繰り返した。

 中国外務省の洪磊(こう・らい)副報道局長が、反日デモ日系企業などが襲撃されたことに「責任は日本が負うべきだ」との姿勢を示したこともあって、ネットなど介して反日デモが呼び掛けられ、18日午前、71の都市で抗議活動が広がっている。

 こうした事態を受け、トヨタ自動車や家電量販大手のヤマダ電機伊勢丹の各店舗などは18日、そろって臨時休業にした。北京や上海、山東省青島、広東省広州の日本人学校でも臨時休校を決め、安全確保のため駐在員を一時帰国させる日本企業が相次いでいる。

■悪質なデマ

 過激な動きに拍車をかけているのがデマだ。

 中国共産党機関紙、人民日報のサイト「人民網」は17日、中国沿岸部の浙江省温州市の一部地区で塩やコメなどを買いだめする動きが起きていると報じた。尖閣をめぐり戦争が起きるとの情報が流れたのが原因とみられるという。

 温州市当局は買いだめが起きていることを認めた上で「倉庫には全市民が2カ月使える量の塩が蓄えられている」として、これを信じてパニックにならないよう呼び掛けた。

 デマがデマを呼び、中国のネット上では「富士山観光に行った中国人旅行者が釣魚島の主権を主張した際に日本人に襲われ、死亡した」というデタラメの書き込みも出回っている。

■被害賠償の行方

 反日デモの標的となり、多数の日系企業やスーパーなどが破壊や略奪、放火の被害を受けた。莫大な被害が発生しているが、賠償問題はどうなるのか。

 松下電器産業(現パナソニック)の現地法人で、出向取締役として5年間勤務した高田拓氏は「事が起こってからでは、損害賠償を求める道はほぼない」といい、こう解説する。

 「戦争や暴動の場合、保険は適用されない。破壊・略奪などで捜査を求めようとしても、中国では捜査費用は企業負担となる。犯人が特定できても、とても賠償金を持っているとは思えない。『警備が問題だった』として公安当局を訴えようとしても、中国政府も裁判所も取り合わないだろう。こういう場合の安全保障として、資生堂などは北京市政府との合弁企業にしている。北京市政府は何があっても守る」

 その上で、こう語る。

 「日本企業は今後、中国のような極端な反日政策の国からは、撤退か縮小していくのではないか。ベトナムインドネシアなど、代わりになる国はある」

 尖閣領有権問題は日本企業に「脱中国」を意識させる大きな“事件”にもなりそうだ。


(ブログ)福島原発事故と放射能汚染 そしてチェルノブイリ地方の現状