【脱中国元年】中国も露骨に嫌悪感 北朝鮮の核が脅威に{zakzak} 

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【脱中国元年】中国も露骨に嫌悪感 北朝鮮の核が脅威に 
★(4)
2013.02.22
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20130222/frn1302220709000-n1.htm
▼全文転載

 

 2月12日、北朝鮮は3回目の地下核実験を強行した。昨年の師走には長距離弾道ミサイル発射に成功しているので、米本土を射程に収める大陸間弾道弾(ICBM)保有は時間の問題となった。

 世襲の絶対権力を中国に認めさせた北朝鮮は強引に核実験を推進し、世界から「ならず者国家」と非難されながらも国内的には「金正恩同志の軍事、科学技術での卓越した見識が偉大性を体現している」などと獅子吼(ししく)した。

 祖父の金日成主席に体形からヘアスタイルまで似せて、整形して風貌まで酷似させた金正恩第1書記。偉大な指導者、カリスマという印象を振りまいてきた北朝鮮は、先軍思想ひとすじに核兵器開発と近代化に邁進してきた。

 筆者は従来、北朝鮮の核弾頭はあまりにもお粗末で軍事的脅威とは捉えなかった。

  核実験に成功しても核弾頭の小型化が焦点だったからである。「小型化は到底無理であろう。あと少なくとも5年を要するだろう」という基本的予測のもと、北 朝鮮がたとえ核兵器を保有しても、(1)小型化(2)搭載技術(3)ミサイルの固体燃料化-という3つのハイテク技術の実現は無理と推定された。

 ところが、今回の実験は核弾頭「小型」化に成功している。軍事的脅威が数倍進んでしまったのである。だから中国は不快感を露骨に表明し、瀋陽の北朝鮮領事館前では抗議デモが行われた。韓国も慌てる。米国は本格的な対策の検討に入った。

 北朝鮮の核開発「次の段階」は小型核をミサイル先端に搭載できるか、否か。

  その次がミサイルの燃料を、現在の液体燃料から固体燃料に移行できるかという段階に進む。北朝鮮のミサイル実験の映像を注視されたい。発射台に設置してか ら液体燃料の注入に数時間から数日を要しているように、このレベルでは発射台にミサイルが置かれた状況を上空から偵察している米国のスパイ衛星が捉えれば 先制攻撃による破壊が可能である。

 しかし、北朝鮮が固体燃料化に成功するとなると話はまったく別で、発射台に据え付ければすぐに発射が可能となる。

 さらに「その次」の技術的難関は地下サイロ化、要塞での核搭載ミサイルの移動と、いきなり発射できるという、いまの中国が持っている高度な要塞型発射システムの実現であろう。

 さらに迅速に当該技術が進むとなれば、イランの核施設に米国とイスラエル共同でウイルス攻撃に成功し、コンピューターシステムを破壊、イランの核武装を数年遅らせたように、何らかの先制攻撃的な対応が必要になったことは事実である。

 ■宮崎正弘(みやざき・まさひろ)  評論家、ジャーナリスト。1946年、金沢市生まれ。早大中退。「日本学生新聞」編集長、貿易会社社長を経て、論壇へ。国際政治、経済の舞台裏を独自の情 報で解析する評論やルポルタージュに定評があり、同時に中国ウォッチャーの第一人者として健筆を振るう。著書に「習近平が仕掛ける尖閣戦争」(並木書 房)、「現代中国『国盗り物語』 かくして『反日』は続く」(小学館101新書)。

■脱中国元年
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 ⇒(2)いびつな「国強民衰」の中国経済 反日暴動で目が覚めた日本企業
 ⇒(1)英、独の中国擦り寄りと反日暴動の深い意味 複雑怪奇な世界情勢

 

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