嘉田知事:「未来の党」第三極が二分 生活・脱原発合流{毎日新聞}

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嘉田知事:「未来の党第三極が二分 生活・脱原発合流
毎日新聞 2012年11月27日 20時49分(最終更新 11月28日 00時09分)
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▼「毎日新聞」から全文引用


滋賀県の嘉田(かだ)由紀子知事(62)は27日、大津市内で記者会見し、衆院選(12月4日公示、同16日投開票)に向け、新党「日本未来の党」の結党を表明した。全原発廃炉を目指す「卒原発」を政策の柱に掲げる。国民の生活が第一小沢一郎代表)などが27日、合流することを決めたことから、未来は国政政党として発足する。日本維新の会石原慎太郎代表)とは一線を画す方針で、第三極は二分される。

 嘉田氏は会見で、自らが代表に就くとした上で、「今のままでは選ぶ政党がない、本当の第三極をつくってほしいという声に応え、新しい党を作る」と結成を表明。そのうえで「着実に原発から卒業できる道を示さなければならない」と「卒原発」を旗印に結集を図る考えを示した。

 結集に際しては「この指止まれ方式」で、政策に賛同できる政党や国会議員らとの合流を目指すとした。

 基本政策として(1)卒原発(2)全員参加型社会の「活女性・子ども」(3)安心安全を実感できる「守暮らし」(4)脱増税(5)脱官僚(6)品格のある「誇外交」−−を柱に据えるとした。嘉田氏自身は滋賀県知事にとどまり、衆院選には立候補しない。代表代行には、原発政策で日本維新の会橋下徹代表代行のブレーンを務めたNPO「環境エネルギー政策研究所」の飯田哲也(てつなり)所長が就く。本部は東京、滋賀の2カ所に置く。

 嘉田氏は会見後、生活と「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党(脱原発)」(共同代表・河村たかし名古屋市長ら)などに合流を要請。これを受け、生活は同日の常任幹事会で、解党して未来に合流することを決定した。同党の山岡賢次代表代行は常任幹事会後、記者団に「政策はまったくというぐらい同じだ。解党して未来の党に入る」と明言した。生活は4カ月余りで解党することになった。

 脱原発も河村氏、山田正彦共同代表、亀井静香幹事長が東京都内で会談し合流を確認した。この後、小沢、山田両氏が会談、小沢氏は記者団に「政策的主張は一緒だし、ともに合流して選挙戦を戦おうということになった」と語った。山田氏も「一緒にやろうと話をした」と述べた。

 みどりの風谷岡郁子共同代表ら)は同日夜、嘉田氏からの合流要請を受け対応を協議。初鹿明博氏ら前衆院議員3人は未来に合流することになった。ただ、共同代表の4参院議員は引き続きみどりとして活動する。合流する3人も、当選した場合は、みどりに戻るという。社民党に離党届を提出した阿部知子衆院議員は27日の記者会見で未来への参加を表明した。

 嘉田氏は27日夜、滋賀県庁で記者団に対し、28日に政党の届け出をすると明らかにした。生活の前衆院議員らを含め、約70人の立候補予定者を確保したとしており、擁立目標について「100人ぐらいまで上乗せできれば」と語った。小沢氏らの合流については「政策に合意していただき、力強く思う」と述べた。【姜弘修、木下訓明、中島和哉】

 【ことば】卒原発

 福島第1原発事故を受けて嘉田知事は昨年6月、「原発を段階的に卒業しよう」と「卒原発」を提唱した。原発を廃止するという意味で脱原発と違いはないが、「卒業にはカリキュラムを作らないといけない。代替エネルギー、電力供給地域の経済をどうするか、すべて解決しないと原子炉のない社会は実現しない」との意味を込めている。ただ、その間の原発再稼働の是非については、27日の会見で言及しなかった。