【日々是世界 国際情勢分析】蔓延する習近平体制への失望感{zakzak}

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【日々是世界 国際情勢分析】蔓延する習近平体制への失望感
2012.11.27
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20121127/frn1211271014002-n1.htm
▼「zakzak」から全文引用

 中国共産党は第18回党大会を終え、15日に習近平総書記ら新たな指導部を選出した。だが、人民大会堂に現れた政治局常務委員7人の顔触れに、欧米メディアからは、祝福の言葉ではなく失望の声が相次いだ。

 米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ、アジア版)は16日付の社説で、新指導部の人選について「強硬派が改革派を打ち負かし、政治の自由化の見込みはないというのが共通認識だ」と述べた。国際紙インターナショナル・ヘラルド・トリビューンも同日付紙面で、「改革の必要性は明白で切迫しているのに、党の指導者は“安全第一”を目指している」とする寄稿を掲載した。寄稿は、改革派として知られる汪洋広東省党委書記と李源潮党中央組織部長(当時)が人選から漏れたことを強調。習氏が最高指導者に選ばれたのは「政治的に対立する課題で自身がどちらの側に立つか言わないため、さまざまな利益集団にとって心地よいからだ」との見方を紹介した。

 16日付の米外交誌フォーリン・ポリシー(電子版)の論文「機会は失われたか」は、とりわけ李氏が常務委員に昇格しなかったことを「驚きだ」とする。李氏は、法の支配や政府の透明性、党内の民主化を求める知識人から支持が厚く、海外で教育を受けた人々を入党させたり、大学卒の党員を村レベルの幹部に登用したりする上で、重要な役割を果たしていたという。

 選出された側についての評価では、英誌エコノミスト(17日版)が、7人のうち少なくとも5人は同じ派閥出身者だと指摘。「もし習氏が改革の道を選ぶなら、(指導部内の)同一性により、改革が容易になる可能性はある」としながらも、指導層の多くが「赤い貴族」と呼ばれる既得権益者であることなどから「残念ながら変化は起きそうにない」との見通しを示した。欧米メディアに共通するのは、「中国に変化が訪れるのは、1980年代のソ連と同様、経済か政治が袋小路に陥ってからで、その時になって初めて北京は(中国版)ゴルバチョフを探すのだ」(WSJ)というあきらめにも似た失望感だ。

 報道の自由が認められている香港でも、習氏が「就任演説」で、党の腐敗に警鐘を鳴らしたことを評価する報道の一方で、常務委員の顔触れを酷評する声が出た。非大陸系新聞、明報系の週刊誌、亜洲週刊(電子版)は21日付の記事で、「人選は政治経験、民意、派閥の背景のいずれもはっきりせず、最後に残った基準は年功序列だけだ」と指摘する。留任した習氏と李克強氏を除き、新たに選出された5人は全員、40年代生まれで、5年後の党大会で年齢制限により引退する。顔触れも保守色が強く「期待を抱かせない」。ただ、記事は自らを慰めるように「悲観しすぎることはない」という。中国の政治は「動かざるを得ない時期に来ている」のであり、「誰が常務委員になり、誰がならないかは、さほど気にする必要はないのだ」と。



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