石原氏と組み迷走する橋下氏をわたしは見限った {連載:大前研一のニュース時評<zakzak}

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石原氏と組み迷走する橋下氏をわたしは見限った
連載:大前研一のニュース時評
2012.11.25
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20121125/plt1211250801002-n1.htm
▼「zakzak」から全文引用


 14日の党首討論で、野田佳彦首相が突然の解散発言をしたとき、自民党安倍晋三総裁はアタフタしていた。あれは野田首相の作戦勝ちだ。不信任案が通ったら、“腰砕け解散”になってしまう。少しでも負け数を抑えるためにも、野田首相が取れる手段はこれ以外なかったのだろう。

 民主党は政権を取った瞬間から、ずっと無責任だった。特に「3・11」以後は迷走続き。こんな政権、早く終わらせてもらいたかった。民主党についてホメる言葉は一言もないが、この解散だけは支持したい。

 一方、次の政権を取ると思われる自民党だが、安倍さんの演説を聞いて、「困ったな」と思った。この人の語る「美しい国」が隣国ともめることは間違いない。

 私は憲法改正には賛成だが、改正の中身については安倍さんとは180度違うはずだ。国際的に活躍するためにも、日本はもっと開かれた国にならないといけない。だから、安倍さんが選挙演説で口を開けば開くほど、あまりにも復古趣味で、私の望むような方向には持っていってくれないと感じている。選挙期間中の安倍さんは、「われわれ自民党は十分反省しました」と言い、民主党の3年間について突っ込むだけでいいのではないか。

 一方、石原慎太郎・前東京都知事を代表に迎えた新生・日本維新の会はどうか。

 私の「道州制」の考えを採り入れたり、「大阪維新の会」立ち上げの際も私の「平成維新」を参考にしたことで、私は橋下徹大阪市長私設応援団ということになっている。共闘宣言もした。

 しかし、国政進出を宣言してからの橋下さんは私のアドバイスも耳に入らない。私は橋下さんが石原さんと組んで国政に進出した時点で見限った。完全に選挙だけに焦点を当て、迷走状態に陥ったからである。

 なぜ国政進出を急ぐのか。やはり自分が見えなくなったのだろう。維新人気が高かった今夏、自分たちで政権が取れると思ったのではないか。

 彼は石原さんを非常に頼りにしているが、思想や政策には一致点が見えない。また、旧太陽の党のほかのメンバーともうまくいかないだろう。このことは、仮に政権を取った、あるいは連立に加わった時には混乱要因になると思う。

 石原さんも橋下さんも、経済や外交問題については何も提案していない。近隣諸国に対して主張できるような強い日本を作る、ということしか言わない。だが、そもそもいま日本企業が死ぬ程の苦しみを味わっている中国問題は石原さんが火をつけたもの。そのことについて、自分はどのくらい責任を感じていて、今後どうするつもりなのかはきちんと話さなければいけない。

 橋下さんについては、大阪をピカピカに磨くという原点に返るべきだと思う。大阪を磨く邪魔をする中央政府に対して戦いを挑み続ければ、日本は変わるのだ。480人の衆議院議員の1人になって今まで日本を大きく変えた人はいない。

 結局、橋下さんは何をやりたいのか、日本をどうしたいのか、石原さんとどのような共通点があるのか? 大同小異で結びついた「第3極」といってマスコミを翻弄する前に、国民にわかりやすく説明すべきではないか?



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