【社説】2012年11月21日 第三極の合流 小異などと見過ごせぬ{東京新聞 TOKYO WEB}

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【社説】2012年11月21日
第三極の合流 小異などと見過ごせぬ
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▼「東京新聞 TOKYO WEB」から全文引用


 二大政党に対抗する「第三極」として国民の信を問うという。それならば、政党として政治理念と政策を明確に打ち出すべきだ。天下取りが先などという言い方は、有権者を愚弄(ぐろう)するものである。

 第三極の大きな渦の一つは、日本維新の会への合流の動きだ。

 納得し難いのは、例えば太陽の党を率いた石原慎太郎氏の「小異を捨て大同団結して戦う」との発言だ。個別政策は「天下を取ってから」と言い切ったが、政策なき野合と批判されても仕方ない。

 太陽が事実上、維新の政策を丸のみしている。選挙後に足並みをそろえて政策実現に努力できるのか国民には大きな疑問が残る。

 三年前を振り返ってみよう。考えの違う人たちが政権交代という一つの旗を掲げ、政権の座についた。その民主党は路線対立が表面化し、政治的な混乱を繰り返したことは記憶に新しい。

 維新と太陽の政策合意では、原発について「安全基準や使用済み燃料などのルールの構築」と記した。維新が唱えてきた「二〇三〇年代までの原発ゼロ」達成へ、具体策に踏み込んだともいえる。だが、「ゼロ」の文言が消え、国民は分かりにくく感じる。

 橋下徹大阪市長は、TPP(環太平洋連携協定)交渉入りを主張し、石原氏は「米国の意向に従う必要はない」と真っ向から対立してきた。合意文書は「交渉に臨むが、協議の結果、国益に沿わなければ反対」と記した。橋下氏が名より実を取った面もあろうが、玉虫色の両論併記にも見える。

 先週の、太陽の党と河村たかし名古屋市長が率いる減税日本との合流合意、一転白紙の経緯も不透明に映る。石原氏が、橋下氏の反対を受けて、一夜で白紙に戻したのは、信義に欠けないか。

 橋下氏が、減税との合流を否定する大きな理由は、政策の違いである。一方で、石原氏とは「小異」として合流を優先させた。維新の看板は「政策重視」だったはずであり、二重の基準にも映る。

 もともと名古屋と大阪の地域政党が国政を目指す原点は、中央集権を打破し、地方から国を変えることであった。河村氏もその原点である党名を変えてまで、合流にこだわる必要があるのだろうか。

 衆院選が迫っており、政党の合流には、勢いや選挙の顔が大切なことは分かる。だが、それも、党の揺るがぬ政治理念や政策をきちんと国民に示せてこそである。



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