橋下氏の強気姿勢はあぶはち取らずの危うさをはらむ{zakzak⇒【Iza!zaK】

zakzak
ホーム>http://www.zakzak.co.jp/
橋下氏の強気姿勢はあぶはち取らずの危うさをはらむ
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20121113/dms1211131231010-n1.htm
※途中省略
⇒【Iza!zaK】特集へ
橋下氏の強気姿勢はあぶはち取らずの危うさをはらむ
配信元:産経新聞>2012/11/10 16:52更新
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/605497/
▼【Iza!zaK】から全文引用

【大阪から世界を読む】

 あっちにこう言い、こっちにああ言いしているうちに、無用の反発を招くのは請け合いである。国民が期待する「第三極」勢力の結集も、あぶはち取らずになりかねない危うさをはらんでいる。(松本浩史)

 ■屈辱感を与える「排除の論理

 「日本維新の会」代表の橋下徹大阪市長が、次期衆院選をにらんだ「第三極」の結集に向け、積極的な発言を繰り返している。政治を変革する情熱が濃い体質なのだろう。だが、こうも強気一辺倒でまくし立てられると、連携を模索する相手とすれば、困惑するばかりである。

 例えば、石原慎太郎東京都知事が新党を結成する際、母体となるたちあがれ日本の所属国会議員を念頭に、「排除の論理」を声高に唱えた。

 「カラーが違う。『真正保守』にこだわるなら、そういうグループですればいい」(10月31日)

 「思考停止している。一切、力は借りません」(1日)

 「合理性を感じない人とは政治をやりたくない。古い『真正保守』とか言っている人たちには、早く退場願った方がいい」(3日)

 「真正保守」に彩られたたちあがれの政策が、とんと気に入らないようだ。聞けば、「第三極」の結集に向け、京都市内で3日に行われた橋下、石原両氏らの会談でも、同席した平沼赳夫たちあがれ代表にこうした考えを伝えたという。たちあがれの面々からすれば、屈辱的だったであろうことは疑いようがない。

 ■魅力的な“磁力”

 橋下氏が強気に出られるのは、「第三極」勢力では依然として、高い支持率を得ているためで、次期衆院選を視野に、連携をもくろむ側としては、いくら尊大な態度をとられようと、口をつぐんで黙殺しているしかあるまい。橋下氏の「引力」は、民主、自民両党を除く中小政党からすれば、それほどまでに魅力的だといえる。

 もっとも、平成5年の「河野談話」をめぐり、旧日本軍の強制性を裏付ける資料がないとして見直しに言及するなど、橋下氏にはたちあがれと共有できる保守的な考えがあるはずで、これほど毛嫌いするのも合点がいかない。

 考えるに、かたくなに「ノー」の姿勢を貫くのは、たちあがれのベテラン議員と手を握ることで、維新の新鮮さが色あせ、あれよという間に世論の支持が離反することを危惧しているのだろう。

 ■選挙のためなら… 支離滅裂でもいい

 そもそも、消費税収のあり方や原発で隔たりが大きい石原氏と政策面で詰めていけば、それこそ「カラーが違う」と決裂する事態に陥るのは請け合いである。だが、橋下氏は、石原氏については「第三極のボスは石原氏。シンボルになるのは間違いなく、力を借りたい」と明言しており、世代間ギャップにも「80歳だが、世代の違いは感じない」としている。

 支離滅裂の感があるけれど、つまるところ、橋下氏の本意はこんなところではないか。選挙のためにならないから、たちあがれと連携する気はない。石原氏は、維新の政策を全面的に受け入れ、たちあがれとは距離を置いてほしい−。

 もっとも、いくばくかの譲歩もなく、「第三極」が結実するとは到底、思えない。政治の世界は、思想、価値観、利害、思惑…が錯(さく)綜(そう)する場であり、ある側面だけを絶対視することは愚の骨頂である。

 維新石原新党のほかにも、みんなの党国民の生活が第一新党大地・真民主など、結党の経緯、基本政策はことごとく異なり、「氷炭相いれず」という要素が必ずある。

 橋下氏は、選挙協力に関しても、波風を立てる発言をした。大阪市役所で6日、記者団に対し、次期衆院選では全国300選挙区に候補を擁立する従来方針について、堅持する考えを表明。候補者が不足したら、公募の追加合格で対応するとした。

 公明党とはすでに、同党が候補を立てる9選挙区で維新候補を擁立しない方針で合意しているのに、「擁立する」発言をしては、公党間の信義に反するのは明らか。ましてや、今後、「第三極」勢力との連携によっては、いくつもの選挙区で擁立を見送る可能性もある。

 ■ただのこけおどし?

 まずは切り込んで相手方の出方をうかがうような橋下氏の手法は、政治の場数を踏む中で、いつしか身についたのだろう。けれど、口にした以上、退けば、ただのこけおどしだったのかとのそしりは免れない。そのとき言い訳がましい発言をしたら、期待値は一気に失速する。果実をきちんと手にできるか、橋下氏にとって正念場である。


※関連記事
NEWSポストセブン
トップ>http://www.news-postseven.com/
日本維新の会」人気低迷した2つの理由を大前研一氏が解説
2012.11.13 16:00
http://www.news-postseven.com/archives/20121113_154004.html