小沢裁判ようやく結審でも一件落着とはいかない(日刊ゲンダイ&中日新聞)

日刊ゲンダイ
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小沢裁判ようやく結審でも一件落着とはいかない
2012年9月26日
http://gendai.net/articles/view/syakai/138841
▼全文引用

ベストセラー「検察崩壊」の衝撃

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<これほどデタラメ特捜部捏造の政治裁判が現代のこの国で行われている闇>

 資金管理団体陸山会」の土地購入をめぐり、「国民の生活が第一」の小沢一郎代表(70)が政治資金規正法違反に問われた事件がようやく“決着”した。26日開かれた控訴審では、検察官役の指定弁護士が新たに請求していた元秘書の供述調書や証人尋問が却下され、結審。11月12日に判決となったからだ。
 指定弁護士は10年以上前に辞めた高橋嘉信元秘書の供述調書を作成、証拠申請したが、これはムリ筋、嫌がらせのような話だ。
「選んだ人物が悪すぎます。高橋元秘書はかつて、小沢氏の“金庫番”と呼ばれましたが、その後、小沢氏と距離を置くようになり、週刊誌などで小沢批判の急先鋒になった。検察が西松事件陸山会事件に着手するキッカケをつくったのも、高橋元秘書の存在があったと言われています。しかし、検察は結局、不起訴にしているから、高橋元秘書の情報はいい加減だったということ。指定弁護士が苦し紛れにしがみついたとしか考えられません」(司法ジャーナリスト)
 そもそも指定弁護士は1審段階で、この元秘書を証人として請求できたのに、何もしなかった。この程度の反論しかできないのになぜ、指定弁護士は控訴したのか。つくづく異常な裁判だが、もとはといえば、事件をデッチ上げ、検察審査会(検察審)を騙(だま)す捏造捜査報告書を作って、強制起訴を“誘導”した東京地検特捜部こそが諸悪の根源だ。
 そうした特捜検察のデタラメをあらためて浮き彫りにした本が話題になっている。元検事で、関西大特任教授の郷原信郎弁護士の著書「検察崩壊」(毎日新聞社)である。
 中身は、検察の捏造捜査報告書作成を問題視し、「指揮権発動」を検討していた参院議員の小川敏夫・前法務相や、元秘書の石川知裕衆院議員ら4人との対談をまとめたものだ。中でも、石川が聴取時の様子を語った内容は衝撃的である。
〈吉田副部長は『このままでいくと小沢さんは検察審査会で間違いなく黒になる』と言うんです。参議院選挙の前、最悪のタイミングで強制起訴が決まることは、プロのわれわれはわかっている。そうならないことがあなたがたにとってプラスだから認めなさい、という説得をさんざんしてきました〉
〈今考えると、検審で黒をとるために途中から様子が変わったな、という感じがあります。終盤になるにつれて、何回も同じ内容を取り直すんです。小沢さんは不起訴と決めているから、後はもう、検審黒に向けていろいろ証拠固めをしていったな、ということを、今思います〉
 いやはや、これが特捜検察の実態だ。国家権力を持っている分、ヤクザよりもタチが悪い。
 郷原氏がこう言う。
「小沢裁判は、特捜部の謀略に検察審が騙されて強制起訴に至ったとんでもない事件であり、読者からも『検察はこれほどデタラメだったのか』という感想が寄せられています。事件そのものがインチキなのはもちろんですが、それが明らかになっても適切な対応を取らず、詭弁(きべん)やウソ、ごまかしを続けている検察のどこに正義があるのでしょうか。国民の信頼を完全に失っています」

<小沢代表控訴審を報じる大マスコミへ重大な疑問>

 摩訶(まか)不思議なのは、大マスコミの報道も同じだ。
 暴走検察と一緒になって謀略事件を騒ぎ立て、「小沢=悪」のイメージづくりに奔走した反省は全くなし。1審で16回に及ぶ公判を経て無罪判決が出ても、「完全無罪ではない」「グレー判決」とあれこれ難クセをつけていた。検察審の起訴議決や、指定弁護士の控訴だって、新聞・テレビの“洗脳報道”が後押ししたようなものだ。あらためて強調するが、控訴審で無罪判決なら、東京地検の2度の不起訴を含めて「4度目」の無罪である。
 マトモな言論機関であれば、さすがに「司法権力の乱用」「政治弾圧」と検察批判の一大キャンペーンを張るべきだろうが、そんな姿勢は一切みられない。司法ジャーナリストの魚住昭氏はこう言った。
「小沢事件で、メディアは『違法』なことと、『モラル』を区別しないまま報道を続け、これが裁判の本質を見えにくくしてしまった。あれだけ大騒ぎしたにもかかわらず、結果は政治資金収支報告書の事務的ミス。それを重大事件のように報じ、小沢氏の巨悪像をつくり上げたのです。メディアは、この事件の強制起訴着手の段階から今に至るまでの報道を自己検証するべきです」
 きっちり落とし前をつけてもらいたい。


中日新聞 CHUNICHI WEB
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小沢氏控訴審 即日結審 11月12日判決
2012年9月26日 12時54分
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2012092690114831.html
▼全文引用

 資金管理団体陸山会」の土地取引をめぐり、政治資金規正法違反(虚偽記入)罪で強制起訴され、一審で無罪判決を受けた新党「国民の生活が第一」代表の小沢一郎被告(70)の控訴審初公判が26日、東京高裁小川正持裁判長)で開かれた。公判は即日結審し、小川裁判長は判決期日を11月12日に指定した。

 小沢代表は出廷したが、被告人質問はなかった。高裁は新たな証拠を採用しなかったため、一審で調べた証拠をどう再評価するかが焦点。再び無罪となる公算が大きくなった。

 4月の一審・東京地裁判決は、小沢代表が自ら貸し付けた4億円を2004年分の報告書に記載せず、土地購入を同年分から05年分に先送りする方針について、小沢代表が元秘書から報告を受け、了承したと認定した。

 だが具体的な報告はなく、違法との認識がなかった可能性があるとして、元秘書との共謀は成立せず無罪とした。

 指定弁護士は補充捜査で事情聴取した元秘書2人の供述調書など約10点を新たに証拠請求。このうち00年まで20年間勤めた元秘書の男性(59)は、小沢代表に逐一細かく報告し、指示を仰いでいた状況などを証言したとされる。

 だが、元秘書2人は04、05年分の問題の収支報告書には関与しておらず、弁護側はいずれも「関連性も必要性もない」として不同意とした。

 指定弁護士は同意が得られなかったことで、2人の証人尋問を要請。高裁は証人尋問も証拠請求も、すべて採用しなかった。

 この日の初公判では、指定弁護士が「小沢代表の政治生命の存亡に直結するような違法行為に当たり、元秘書が詳細を知らせることなく実行することはあり得ない」と指摘した。

 弁護側は「指定弁護士の主張は証拠に基づかない臆測。一審判決の認定が不合理であると何ら示していない」と控訴棄却を求めた。

中日新聞



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