原発は国家なり!政官財&学会&マスコミが推進 ★東電「一般社員」の声に出さない悲鳴<ZAK×SPA!>

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原発は国家なり!政官財&学会&マスコミが推進
東電「一般社員」の声に出さない悲鳴
2012.09.13
http://www.zakzak.co.jp/zakspa/news/20120913/zsp1209130822001-n1.htm
◆全文引用


 事故を起こした東京電力の責任が重大であることは言うまでもない。しかし、東電はその歯車の一部にすぎない。「原発は国家なり」と、いわばオールジャパン体制で推進されてきたのだ。元共同通信記者の土井淑平氏はこう指摘する。

 「よく『原子力村』という言葉が使われますが、そんな牧歌的なものではありません。政府・議会・官庁・経済界・学会・マスコミ・労組・司法などが寄り集まり、国家総動員体制原発を推進してきたのです。政界では初代科学技術庁長官だった正力松太郎氏と、中曽根康弘元首相の2人が原発導入の先導役でした。

 そして正力氏の後を継いだ田中角栄元首相が「電源三法」を’74年に制定、原発立地の地元にカネを落として住民を懐柔する仕組みをつくりました。そもそも田中氏は柏崎刈羽原発の用地売買で得た利益の4億円を自民党総裁選に使って、首相になったという経緯があります。

 歴代自民党の有力者たちはいずれも原発業界との関係が深い。そして、現在の政府・民主党原子力業界と癒着しています。日本最大の労働組合である連合は民主党の支持母体であり、資金源でもあります。連合内の一大勢力である電力総連は東電出身の小林正夫参議院議員関西電力出身の藤原正司参議院議員を筆頭に、多数の議員に影響力を及ぼしています。一昨年7月の参院選では電力総連が選挙区で47人の民主党候補らを推薦、行政刷新担当相を務めた蓮舫参議院議員輿石東民主党幹事長ら24人が当選しています。電力総連の勉強会『明日の環境とエネルギーを考える会』には、環境相原発事故担当相の細野豪志氏もかつて出席していました」

 経済界と原発の関係も深い。

 「原発導入を決めた際、当時の日本政府は国内大手企業を集めて、開発に携わらせました。そのため、原子炉メーカーでは三菱重工東芝、日立、金属素材を提供する新日鉄など、今や日本の大手企業にとって原発は巨大な利権となっています。経団連米倉弘昌会長が福島第一原発事故後もことあるごとに原発推進の立場から発言しているのも、こうした背景があります。さらに三菱東京UFJ、三井住友、みずほ銀行などのメガバンク日本生命などの保険会社は電力会社の大株主であり、再稼働や電気料金値上げを求めています。これらの企業の責任も非常に重いと言えるでしょう」【続きを読む】

事故後も強大化する原発業界!グレーマネーが闊歩する
東電「一般社員」の声に出さない悲鳴
2012.09.13
http://www.zakzak.co.jp/zakspa/news/20120913/zsp1209130822000-n1.htm

図URL(分かりやすり利害関係図)
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福島第一原発事故後、議論を呼んだのが原子力の専門家と原発業界との関係だ。

 「例えば、原発再稼働のための安全審査とされるストレステストについての専門家委員会のメンバーである東京大学の岡本幸司教授、大阪大学の山口彰教授、筑波大学の阿部豊教授の3人が、三菱重工から献金を受けていたことが明らかになっています。比較的良心的と思われる科学者も原発に協力してきた経緯があります。核兵器に反対していた湯川秀樹氏も初代原子力委員会の委員長を務めました」

 マスコミやメディア関係者の責任も問われる。

 「事故以前、電力業界全体の広告費は年間2000億円にも上りました。特にテレビにとってはまさに大スポンサー。原発に批判的な報道がしづらい状況でした。またマスメディア幹部に『原子力文化』という日本原子力文化振興財団の機関誌に原稿を書かせたりもしていました。こうしてメディア内の有力者を一本釣りしてきたのです。記者クラブの弊害もあります。特に経産省記者クラブに所属する記者は、原発に批判的な記事を書けば敬遠される。新聞の編集幹部も、その記者を代えて、経産省の意向を伝えるような記者を配属させるでしょう」

 法の番人である司法も原発業界と無縁ではない。

 「伊方原発福島第二原発の訴訟で住民側の建設許可取り消し請求を退けた元最高裁判事の味村治は、なんと’98年に原発プラントメーカーの東芝の社外監査役天下りしました」

 福島第一原発事故後も、原発業界が解体されるどころか、より強化される動きすらある。

 「原子力村との決別」(細野原発事故担当相)のために設置される原子力規制委員会の人事案で、こともあろうか田中俊一・元原子力学会会長ら原子力業界関係者ばかりが指名されている。この人事案に反対運動を行う環境団体FoE Japanの満田夏花氏は「原子力規制委員会は再稼働や安全基準など重要な判断を一手に担うほか、原発事故処理も担当します。このままの人事では、原発有権者の意思とは無関係に推進され、福島第一原発事故の被害もなかったことにされかねない」と懸念する。

 はたして、一般市民に対抗手段はないのか。

 土井氏は「住民投票は有効」と語る。「新潟県旧巻町、三重県海山町での原発計画はいずれも住民投票で撤回されました。そうした抵抗を続けることが大事なのではないでしょうか」。

 ■土井淑平氏 元共同通信記者。原子力、ウラン鉱害問題などを中心に取材を続ける。著書に『原子力マフィア−原発利権に群がる人びと』(編集工房朔)、『原発と御用学者−湯川秀樹から吉本隆明まで』(三一書房)など【続きを読む】

東電は“原発村”の末端組織!分かりやすいから叩く
東電「一般社員」の声に出さない悲鳴
2012.09.14
http://www.zakzak.co.jp/zakspa/news/20120914/zsp1209140848000-n1.htm

写真URL
http://www.zakzak.co.jp/zakspa/photos/20120914/zsp1209140848000-p1.htm
 東京電力福島第一原発で、なぜ過ちを犯したか考えるうえで、責任追及は大事。だからといって、東電社員一人ひとりまでバッシングするのは次元の違う話だと思う。

 東電バッシングで、東芝、日立、三菱などの原発メーカーや、原子力を強く推進してきた中曽根康弘元首相や正力松太郎氏らをはじめ政界・政府などの原子力推進システムへの責任追及につながっていない。安全神話形成のシステム全体において東電そのものは、回路のひとつの出口であり、末端構造にすぎないはず。

 ただし事故以前は、地元福島では東電とその子会社に就職できたら一生安泰みたいな感じで、東電への就職は「特権階級」への仲間入りだった。今回の大事故で、それに対する憎悪、ルサンチマンが火を噴いている。

 大津のいじめ問題もそうだけど、わかりやすくて叩ける相手を見つけたときにみんなで叩いて安心する。批判が一極に集中することで、全体構造がわからなくなり、非常にまずい状況だと思っている。

 例えば、水俣病の原因をつくったチッソは、漁業しかなかった地域にやってきて雇用を促進した。チッソはプラスチックを作っていて、その製造過程で問題となった有機水銀が出た。当時は高度経済成長前でプラスチックは基幹産業、国策だった。だからこそ迅速な対処ができずに被害が拡大した。この構造は原発とまったく一緒で、恩恵をみんなが受けていた。水俣病被害者の緒方正人さんが出された本のタイトルに「チッソは私であった」とある。この「自分は被害者であるけど、加害者でもある」という認識はとても大事だと思いますね。東電バッシングでは、みんなが被害者になっている。戦後の「戦争責任」追及と一緒で、無理やり誰かを「戦犯」に決めて安心しようとしている。東電の責任は大きいけれども、その背後には「原子力村」と呼ばれる巨大な勢力が今もある。またそれを許しているのも僕らなのだということを忘れてはいけないと思います。

 ■森 達也氏 映画監督、作家。オウム真理教を追ったドキュメンタリー映画『A』『A2』で国内外から高い評価を受ける。著書に『放送禁止歌』(光文社知恵の森文庫)、『A3』(集英社インターナショナル)など多数

取材・文/田中裕司 尾原宏之 志葉 玲 桐島 瞬



(ブログ)福島原発事故と放射能汚染 そしてチェルノブイリ地方の現状