「原発ゼロ」世界に説明 IAEA総会開幕

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原発ゼロ」世界に説明 IAEA総会開幕
2012年9月18日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012091802000107.html
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 【ウィーン=宮本隆彦】国際原子力機関IAEA)の年次総会が十七日、ウィーンの本部で始まった。日本代表団の山根隆治外務副大臣は「二〇三〇年代に原発稼働ゼロを可能とする」ことを目標にした東京電力福島第一原発事故後の新たなエネルギー政策を説明した。

 山根氏は日本政府が事故後「国民が安心できるエネルギー構成を目指し、国民的議論の中で政策を見直してきた」と説明。原発ゼロ方針は国民の広範な支持を得ていると訴えた。一方で「情勢の変化に柔軟に対応する」と見直しの余地も残した。脱原発の過程でも、安全確保の人材育成や技術開発を約束した。

 日本の表明を受け、フランス政府代表は報道陣に「日本の決定を尊重する」と述べた。フランスは使用済み燃料の再処理で日本の核燃料サイクルに関わっており「率直な議論の必要がある」と述べた。韓国代表団は「日本の決定には驚いた。われわれには依然として原子力は重要だ」と述べた。

 原発ゼロ方針にはこれまでに、二二年までの脱原発を決めたドイツが「助言や支援が可能だ」(政府報道官)と歓迎。原子力分野の政策、産業の両面で日本と密接な関係がある米国はゼロ方針に懸念を表明している。

 IAEA天野之弥事務局長は冒頭演説で、福島原発事故の包括的な報告書を一四年中に作成すると表明した。原発の安全確保には「昨年の総会で承認された原発の安全指針『行動計画』の実施が焦点となる」と指摘。事故を教訓に原子炉冷却のための代替電源の重要性が広く世界で認識されるなどの成果もあったと述べた。

 十七日の総会では、福島原発の現状を説明する特別会合も開かれた。総会は二十一日まで五日間の日程で開かれ、軽水炉建設が進む北朝鮮の核問題やイランの核開発疑惑なども協議する。



(ブログ)福島原発事故と放射能汚染 そしてチェルノブイリ地方の現状