コラム 水や空■許せぬ復興予算流用【長崎新聞】

長崎新聞】<水や空>
■許せぬ復興予算流用
コラム 水や空 (2012年9月12日更新)
http://www.nagasaki-np.co.jp/news/mizusora/2012/09/12100010.shtml
▽全文引用

許せぬ復興予算流用

 火事に遭いながらも保険金などで金回りがよくなることを「焼け太り」というが、消火活動を手伝うふりをして、まんまと被災者救援金の分け前に預かり、丸々と肥え太ることを何と言うか▲浮かぶのは「食い物にする」だ。他人の不幸に乗じて得をするのだから、これはもう、被災者を食い物にする行為と言っていい。東日本大震災の巨額の復興予算が、霞が関の官僚によって好き放題に流用され、被災者が食い物にされている▲9日放送のNHKスペシャル「東日本大震災、追跡・復興予算19兆円」によると、復興増税で調達した復興予算が、沖縄の国道整備、反捕鯨団体対策、国立競技場補修、刑務所の職業訓練、公安調査庁のテロ対策など、被災地と無縁の事業に流用されていた。予算総額19兆円のうち、流用は2兆円を超えた▲その一方で、被災地には復興資金が回らず、津波で流された商店や診療所の再建資金補助が受けられない人々の苦境も紹介されていた。流用の罪は重い▲原田泰・早大教授は著書「震災復興 欺瞞(ぎまん)の構図」(新潮新書)で、そもそも復興費用の積算自体がいいかげんで、予算が野放図に積み上げられていると指摘した。いいかげんに積み上げられた予算は、実にいいかげんに散財されていた▲東日本大震災から1年半。復興は進まない。震災を食い物にして省庁権益の肥大化を図る霞が関のゆがんだ官僚機構。その改革なくして復興はない。(信)



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