【社説】2012年8月31日 社会保障会議 抜本改革はやらぬのか<中日新聞 CHUNICHI WEB

中日新聞 CHUNICHI WEB
トップ >
【社説】2012年8月31日
社会保障会議 抜本改革はやらぬのか
http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2012083102000088.html
(全文引用)



 野田佳彦首相への問責決議が参院で可決され、与野党の対立は決定的だ。年金や医療などの抜本改革を話し合う社会保障制度改革国民会議の設置はめどが立たない。これでは増税だけになる。

 改革をやる気があるのか。国会の体たらくを見ているとそう思わざるを得ない。今国会で取り組むべき最大の課題は社会保障と税の「一体」改革だったはずだ。

 政府・民主党は消費税を増税し、それを社会保障の財源に改革案を提示した。だが、消費税増税に一直線に突き進んだ姿勢とは対照的に、改革案は現行制度の手直しに終始した。社会保障制度の再構築に真剣に取り組む政治姿勢は、全く感じられなかった。

 野党からも年金などの将来像をしっかり示せと注文が付いた。政府はマニフェストに盛り込んだ最低保障年金制度などを提示したが、自民、公明両党が反発すると大幅に譲歩した。「ねじれ国会」の参院では、消費税増税法案可決に両党の協力が必要だからだ。

 社会保障の抜本改革は、増税法案協力と引き換えに国民会議を設置し一年以内に結論を出すことで自公両党と合意した。改革は先送りされた。

 さらに自公が首相の問責決議を提出・可決したことで、国民会議は設置すら見通しが立たなくなった。政局に明け暮れ社会保障改革は眼中にないようだ。民自公の三党合意は改革を口実にした増税だけが目的だったのではないか。

 国民から税や保険料としてお金を集め生活の安心を支えるために年金や医療、介護、子育て支援に分ける。これが社会保障の基本だが、だれから集めだれに分けるかには所得再分配の難しい判断が要る。だから党利党略を超えた政治主導が求められる。

 福祉国家スウェーデンは年金改革の際、主要政党の代表者が参加する検討会を設置し議論した。その後、二度の政権交代を経験したが制度は政争の具になることはなかった。制度存続の危機感と解決するとの決意を政治の責任として各党が共有したからだ。

 社会保障は持続可能なものにしてこそ将来の安心につながる。どの政党が政権を担っても信頼される制度に改革する必要がある。だが、今国会の混乱ぶりからはそんな気概は見えない。

 国民会議の設置期限は一年しかない。このままでは増税だけに終わる。与野党は政治の責任をきっちり果たすべきだ。


はてなダイアリー
福島原発事故放射能汚染 そしてチェルノブイリ地方の現状(北の山じろう)
http://d.hatena.ne.jp/point-site-play/
※ホームページのご案内
(1)福島原発事故放射能環境汚染・食品汚染・健康被害チェルノブイリ関連情報案内所
https://sites.google.com/site/ennpatujikonohousyanouhigai/
(2)福島第1原発事故と原発問題、チェルノブイリ原発事故関係情報案内所
https://sites.google.com/site/kitanoyamajirou/
(3)東日本・寄せ集め民報(ニュース・記事専門サイト)
https://sites.google.com/site/japan20120418news/