滋賀県教委、市教委の報告書に再提出要求(大津市・いじめ自殺)<中日新聞>

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滋賀県教委、市教委の報告書に再提出要求 
2012年7月26日 23時00分
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(全文引用)


 昨年10月に大津市立皇子山(おうじやま)中2年の男子生徒=当時(13)=が飛び降り自殺した事件で、大津市教育委員会が、文部科学省に提出した報告書を途中経由した滋賀県教委に「いじめと判断する経緯の説明が不十分」と再提出を求められていたことが分かった。

 報告書は教育現場で命に関わることが起きた場合、文科省が県教委を通じて提出を求めている。義務ではないが、市教委は9カ月たっても報告書を作らず、県教委に口頭や簡単な文書で経緯を説明していた。

 市教委は取材に「隠すつもりはなく裁判で明らかになってから作成しようと考えていた」と釈明した。生徒の両親は2月、市といじめたとされる同級生の保護者に損害賠償を求めて提訴している。

 市教委は今月20日にA4用紙2枚で報告したものの、経緯は「アンケート調査等により、3人の生徒から当該生徒に対していじめがあったことが発覚した」と、2行しか記されていなかった。全生徒アンケートなどは添付されていなかった。

 県教委は23日に再提出を指示した。市教委は「全てを書くと量が増えるので、2行の説明にとどめた。指導を真摯(しんし)に受け止め、早く再提出したい」と話している。

 また、滋賀県警は26日、いじめの実態解明に向け皇子山中の生徒の事情聴取を始めた。同級生を中心に聞き取り、夏休み中に終える予定。精神的負担を考慮し、保護者の同席を原則とする。希望すれば県警少年サポートセンターの女性補導職員が立ち会う。

 県警は、同級生3人が男子生徒に暴行した疑いで今月11日、学校と市教委を家宅捜索。18日には男子生徒の父親(47)が、暴行など6つの容疑で同級生3人を大津署に刑事告訴した。

中日新聞