水谷建設元会長〜日刊ゲンダイに激白

ゲンダイのみかた 2011/02/03(木) 22:25:23
[小沢一郎] 水谷建設元会長〜日刊ゲンダイに激白
小沢強制起訴、「裏金授受」疑惑のキーマン
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小沢疑惑のカギを握る「キーマン」が本紙に“衝撃”告白だ。その人物とは、7日に初公判が開かれる「陸山会」をめぐる政治資金規正法違反事件で、衆院議員石川知裕被告(37)や大久保隆規(49)らに「裏ガネ1億円を渡した」と報じられた水谷建設三重県)元会長水谷功氏(65)である。31日に「強制起訴」された小沢元代表の事件でも、核心は「水谷証言」にたどり着く。水谷会長の口から出た言葉は驚きの内容だった――。

水谷建設側が04年10月と05年春の2回にわたって、小沢秘書に5000万円ずつ、計1億円を渡した。岩手の胆沢ダム関連工事を受注した謝礼だった」

09年11月から、大新聞・テレビで一斉報道が始まった「水谷建設裏ガネ疑惑」。大マスコミは「検察リーク」に乗っかり、以来、このカネが「陸山会が購入した世田谷の土地資金の原資になった」と決め付け、「小沢悪徳キャンペーン」を展開してきた。検察の“ネタ元”とされたのが、水谷元会長だった。

「脱税で三重刑務所に服役していた水谷元会長に、東京地検特捜部の検事が会いに行ったのは、09年夏ごろ。当時、西松建設をめぐるダミー団体献金事件で、小沢氏の第1秘書の大久保被告を逮捕・起訴したが、検察側のシナリオ通りに裁判が進まず、困り果て、すがったのが水谷元会長だったといわれています」(司法ジャーナリスト)

「水谷証言」が本当なら、小沢は即、逮捕・起訴されていただろう。ところが、検察は1年以上、捜査したが何の証拠も見つけられず、結局は不起訴。「水谷証言」はいつの間にか雲散霧消し、大新聞・テレビも報道自体を忘れてしまったかのようだ。しかし、あれだけ国民、世論を“誘導”した重大証言をこのまま闇に葬り去るのは許されない。

現在、刑を終えて出所した水谷元会長を直撃した。

記者「裏ガネ疑惑、証言内容は本当だったのか」

水谷氏「分かんないよ。知らないよ」

記者「04年と05年の2回、石川、大久保両被告に水谷建設がカネを渡したと報じられています」

水谷氏「石川、大久保なんて会ったこともない。石川被告の顔は報道でクローズアップされて知っているが、それまで石川のイの字も知らなかった」

記者「大新聞・テレビでは、これまで、水谷氏が検事に『カネを渡したことを証言』などと報じられてきた。これは誤報ということですか」

水谷氏「何がどうなのか。ワケが分かんないよ」

記者「新聞テレビの記者は、証言の裏付け取材に来なかったのですか」

水谷氏「何人かは来たけど……。『こんな話、聞いたことがありますか』って言うから、『聞いたことぐらいはあるな』と答えたが……」

記者「“証言”の否定会見はしないのですか」

水谷氏「どうでもエエ。私には分からん。あんた方は私のことを勝手に書いて……」


いやはや、仰天発言ではないか。報道の中には、大久保被告と懇意だった大阪の建設会社社長が水谷会長を紹介――なんてのもあったが、水谷氏の話通りなら、これらは全部デタラメだったということか。検察が書いたシナリオに水谷氏はうなずいただけなのか。

検察はなぜか水谷氏を証人申請していない。“主役”を抜きにして、「裏ガネ疑惑」をどう立証するつもりなのか。もういい加減にした方がいい。

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小沢一郎 離党追放もくろむ執行部に強烈パンチ
無罪になったら誰が責任取るのか
「裁判において、私が無実であることはおのずと明らかになる」
「引き続き民主党国会議員として、誠心誠意取り組んでいく」

予想されたこととはいえ、小沢一郎元代表にここまで堂々と主張されては、「離党」や「除名」を突き付けようと待ち構えていた菅首相民主党執行部は、今ごろ腰が引けていることだろう。岡田幹事長は、今週中に役員会を開いて、小沢を処分するかどうか議論を始める方針。だが、執行部には、「小沢が無罪になったら誰が責任を取るのか」という問題が重くのしかかる。

強制起訴を受けての、ぶらさがり会見で小沢は余裕しゃくしゃくだった。大勢のマスコミが待ち構える部屋に入ってくるなり、テーブルに置かれたICレコーダーの多さに「おお、いっぱいだな」とおどけ、質問のやりとりでも笑いがこぼれたほどだ。一方、「強制起訴されて党にとどまって、国民の理解を得られると思うのか」と普段は厳しい大マスコミは、小沢本人を前にするとなぜか沈黙だった。

会見後、小沢は自らを支持する小沢グループ鳩山グループの議員19人と会食。いつもと変わらず淡々と日本酒を飲み、意気軒昂だったという。

参加した議員のひとりが言う。
「強制起訴で会見した指定弁護士3人のうちの1人が『有罪を確信したから起訴するのではなく、起訴議決がされたので職務として起訴した』と言っていましたが、そんな消極的な起訴って、何ですか。小沢さんが無罪になったら、どうするのか。党は処分などできないでしょう」

菅も枝野官房長官も小沢の処分について、「岡田幹事長を中心に協議する」と相変わらず責任を押し付け、その岡田は「私の責任で取りまとめる」と大見え切っているものの、ホンネでは厳しい処分はしたくない。役員会には処分不要を主張する輿石参院会長もいる。

民主党参院選惨敗でも誰も責任を取らない政党だ。「小沢無罪」を恐れて、結局、処分はあやふやになるのが関の山じゃないか。

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大新聞「小沢起訴」見出し横並びの異様
これじゃ誰も新聞を読まないはずだ。
1日の大新聞の1面見出し“異様”だった。朝日、読売、毎日、東京の各紙そろって「小沢元代表 強制起訴」と横並びだったからだ。

小見出しも「市民感覚」「小沢氏は離党、辞職を否定」など、これまた似たり寄ったり。社会面も検察官役を担った指定弁護士、小沢の弁護団のそれぞれ会見内容を掲載している。大新聞は取材記者も同じなのか?――。と疑うぐらいソックリの構成なのだ。

だいたい新聞が掲載した話は昨晩からテレビがワンサカ流した内容。翌朝に同じ記事を読ませられる読者はタマったもんじゃない。

日刊ゲンダイ 2011/02/01 掲載)


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