【日本復活の条件】日本経済は“焼け野原”から立ち上がる

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ZAKZAK から全文引用
【日本復活の条件】日本経済は“焼け野原”から立ち上がる
★(5)
2012.04.08
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20120408/plt1204081418001-n1.htm

日本の経済運営が、顔の見えない官僚たちの合議制なのに対して、アメリカでは超エリートによるトップダウンだ。例えば、アメリカの中央銀行にあたる連邦準備制度理事会FRB)の議長、ベン・バーナンキ氏である。バーナンキ氏は大不況研究の権威であり、金融危機の時、理論家の強い確信をもって果断に決断した。確かに、一時的には成果を上げたが、長期的には大きな副作用が出てしまった。今やアメリカ人はインフレにおびえつつ暮らすことになった。

 また、金融政策だけが大胆に動き、所得分配に関わる政策については保守派(自由主義原理主義とでも言うべきか)の反対で何一つ進展しないので、雇用はいっこうに改善しない。アメリカ経済はこれから空前の苦境に向かうものと思われる。要は、アメリカ社会に現実主義と相互信頼が不足しているからだ。

 皮肉なことに、日本経済が低迷を続けているのは、アメリカが覇権国なので「万事をアメリカ流にしよう」と考える軽薄な人間が少なくないせいである。経済でのアメリカ流は「雇用を犠牲にして利潤を増やすこと」だが、これは結局、需要不足を引き起こし、経済回復を遠ざけてしまう。

 そのアメリカの弱体化がはっきりすれば、より日本らしい経済運営が再度、台頭するだろう。利潤を増やすためにIT化を進めて人減らしをするのではなく、面倒を見ている人間の数を競い合うような経営が、主流になるのだ。

 だが、そこへの道は直線的なものではなく、その道程は楽なものではない。極めて近い将来に国家財政が破綻するからである。現在、増税をするかしないかが政局の焦点となっているが、今言われている程度の増税では焼け石に水でしかない。

 財政破綻が起こるというのは、金利が急上昇して、発行済みの国債が紙切れと化すことを意味する。すると大量の国債を抱えた銀行が次々と破綻し、預金のかなりの部分が消滅する。高金利のせいで景気は急激に縮小し、企業はバタバタと倒産し、失業率は一時的には40%前後まで上昇する。

 ただし、破局のおかげで現在の日本経済を停滞させている、さまざまな病理も取り除かれる。病理の詳細については、拙著「なぜ日本経済が21世紀をリードするのか」に譲るが、幕末の混乱から明治初期の建設時代へと、あるいは戦争末期の絶望から戦後の希望へと、素早く切り替えたのと同じことを、またしても日本はやり遂げるであろう。破局は不可避であり、それを乗り切ることこそが「日本復活の条件」なのである。=おわり

 ■徳川家広(とくがわ・いえひろ) 1965年、東京都生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業後、米ミシガン大学大学院で経済学、コロンビア大学大学院で政治学修士号を取得。翻訳家、政治・経済評論家として活躍。著書に「バブルの興亡 日本は破滅の未来を変えられるのか」(講談社)、「なぜ日本経済が21世紀をリードするのか」(NHK出版新書)など。徳川宗家19代目に当たる。

ZAKZAK から全文引用


☆ご参考
福島原発事故がもたらす放射能による環境汚染と健康被害について
https://sites.google.com/site/ennpatujikonohousyanouhigai/
福島第一原発事故と日本の原子力産業問題
https://sites.google.com/site/kitanoyamajirou/