20120223 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章

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20120223 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章
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tacc77 さんが 2012/02/23 にアップロード

南相馬「黒い物質」セシウム108万Bq/kg検出「東京などでも特別にそういう強烈なものが集まっている場所はあるはず」小出裕章
http://hiroakikoide.wordpress.com/2012/02/24/tanemaki-feb23/

・2号機の圧力容器底の温度上昇がおきていること、特に「12度の差」について
・停止中の原発の危険性・原子炉の劣化について
南相馬市にて「黒い物質」セシウム108万ベクレル/kgが検出されたことについて

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「ざまあみやがれい!」から全文引用
2012年02月24日16:07
2号機 圧力容器底の温度上昇「12度の差」について「温度計が故障に向かって
いる/数日のうちに決着がつく」小出裕章 2/23(1)
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65791952.html

2012年2月23日(木)、小出裕章氏が、毎日放送たね蒔きジャーナル」に出演。

2号機の温度上昇について、圧力容器底の2つの温度計に12度の差があることについて言及しています。

=====(文字おこし、ここから)

千葉「京都大学原子炉実験所助教小出裕章さんにお話を伺います。小出さん、今日もどうぞよろしくお願い申し上げます」

小出「はい。こんばんは。よろしくお願いします」

千葉「こんばんはよろしくおねがいします。え…今日は毎日新聞論説委員の藤田悟さんと一緒にお話を伺います」

小出「はい」

藤田「藤田です。よろしくおねがいしますー」

小出「はい。藤田さんこんばんは」

藤田「こんばんは」

小出「よろしくおねがいします」

千葉「小出さん今日ですね、まずこの」

小出「はい」

千葉「質問から伺いたいんですが」

小出「はい」

千葉「今、あの、ニュースでも伝えておりましたけれどもんですね。えー、またまた温度計の食い違いが起きたということで、」

小出「はい」

千葉「福島の第一原発の2つの温度計がそれぞれ違う温度を示しております。で、え、原子炉圧力容器の底に3カ所ある温度計のうち故障と判断された温度計の1つが上昇を続けて、49.5度まで上昇したと東京電力は発表しております。で、もう1つの温度計は37.1度だということで。えー、12度ほど差が出てるんですが。え…東京電力は冷却水の注入量を一時、1時間あたり17.6トンまで増やしたあと、9トンに減らしているので、この影響で温度上昇にばらつきが生じたと見ているということなんですが。これは東京電力の見方というところで、いいんでしょうか」

小出「えー、みなさんちょっと想像していただきたいのですが。原子炉圧力容器というものですね。鋼鉄製の圧力釜ですけれども。直径が5メートルから6メートルあって。高さが20メートルほど有ります。」

千葉「はい」

小出「えー、まあいってみればその、新幹線のような車両をですね、縦に立てたという、そんなような大きさ、なんですね」

千葉「はい」

小出「もう少し太いかもしれません。え…それの胴回りのある部分に、まあ温度計が貼りつけてある、わけです。そして、そのー、圧力容器自身の中に水が静かな状態で貯めてあって」

千葉「はい」

小出「え…お風呂のように、まあ、静かな状態ということでは全然ない…」

千葉「はははあ」

小出「のです。えー、もうどんどんどんどん水をじゃーじゃーといれながらですね、え…底に穴があいてしまってるわけで。そこから流れていってる。そしてその、圧力容器の中には溶けた炉心の、ま、ほとんどは私は下に落ちてしまっていると思いますけれども。まだ、残った泥のようなものがグルグルと回ってるというそういう状態なん…です。え、ですから、え…部分的に温度の低いところもできるだろうし、部分的に温度の高いところもできるということは、ごくごくありうることであって。一方が30何度、一方が40何度ということは、わたくしは全く不思議ではないと、思います。」

千葉「うんー……」

小出「ただし、ですけれども、前回がそうであったように、現場の状況がものすごいその、過酷な状況にあって。次々と測定器が故障していくという、そういう状況なのですね、で、前回も温度計の1つが故障しましたし。え…今回のことも私としては、今の情報を聞く限りはまた温度計が故障に向かっていると思います」

千葉「はあー……。あの、やっぱり、い、そっちの方向、で、えー……、の可能性が高いということですか」

小出「え…まあ、あの、東京電力は数日、あの、見るというようにいったそうですけれども。もちろん数日のうちに決着がつくと思います。」

千葉「うむー……。そうするとでももう1個故障するということになってしまったら、あと1個だけということになってしまいますよねえ」

小出「はい。あのもちろんそうですけれども、その下の位置に多分また3個あると思いますし、ま、全くめく…目が見えなくなってしま、目がみえなくなるというかその…測定値が得られなくなる状況ではない、ですけれども。でも次々とやはり測定器自身も…え…故障していくという、そういう厳しい状況だということを皆さんも分かっていただきたいと思います」

千葉「うん…。はい、わかりました」

小出「はい」

千葉「では続いてですね。スタジオには今日もたくさん小出さんへの質問メールが来てますので」

小出「はい」

千葉「順番にお伺いしてまいります」

小出「はい」

千葉「え…まずこちらですね。羽曳野市のラジオネームしんあかうらさん、というかたです。え…現在ほとんどの原発が、休止停止状態ですが。原発は稼動していなければ、安全なんでしょうか。停止状態で地震や想定外の出来事が起こり、配管や隔壁などが破損したらどうなるんでしょうか。単純に止まってたら安全、稼動してるから危険とは思えないので、教えてくださいという質問です」

=====(文字おこし、続く)


2012年02月24日16:08
停止中の原発の危険性・原子炉の劣化についての解説 小出裕章 2/23(2)
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65791954.html

2012年2月23日(木)、小出裕章氏が、毎日放送たね蒔きジャーナル」に出演。停止中の原発の危険性や、その際の原子炉の劣化について、整理して解説しています。

=====(文字おこし、続き)

※「2号機 圧力容器底の温度上昇「12度の差」について「温度計が故障に向かっている/数日のうちに決着がつく」小出裕章 2/23(1)」からの続き。

千葉「え…まずこちらですね。羽曳野市のラジオネームしんあかうらさん、というかたです。え…現在ほとんどの原発が、休止停止状態ですが。原発は稼動していなければ、安全なんでしょうか。停止状態で地震や想定外の出来事が起こり、配管や隔壁などが破損したらどうなるんでしょうか。単純に止まってたら安全、稼動してるから危険とは思えないので、教えてくださいという質問です」

小出「はい。え…動いていればもちろん危険です。え…でも、止まっていれば安全かと言われるとそうでは、ありません」

千葉「はい」

小出「え…すでに原子炉が動いて…いたときにつくり出してしまった核分裂生成物というものは、消・え・ませんので、ずうっと残っている、のですね。 それが使用済み核燃料プールという底に沈めた状態であるわけで。今回の福島第一原子力発電所の事故でも、炉心だけではなくて、使用済み核燃料プールという ものが、今現在も機器的な状況にあるという……ことになって…います」

千葉「はい」

小出「ですから他の原子力発電所も、私は即刻停止すべきだと言っていますけれども。停止したところで安全になるわけではありません」

千葉「ふーん。やっぱりより安全性を高める、ということであるならば、もう停止した上で、止めて解体するということ…しかないんでしょうかね」

小出「もちろんそうなんですけど、解体した…原子力発電所を解体したところで、核分裂生成物は消えませんので。それを何処か安全なところでずうっとお守りをし続けなければいけないという仕事が残ります。」

千葉「うむー。で、今の解体の話についてですね」

小出「はい」

千葉「質問が来てまして。こちらは静岡県の石の上にも3年、というラジオネームの方なんですが。」

小出「はい」

千 葉「え…福島原発はすでに40年近く稼動していて、今後燃料取り出しや解体に同じ年数以上がかかるとも言われますが。その間にも容器の劣化が進むと考えられるんですけれども。容器が不測の事態で加熱されたり劣化が集中したりすることって言うのは、ないんでしょうか、という質問なんですが」

小出「はい」

千葉「いかがですか?」

小出「えー、容器と今、石の上にも3年さん、だったでしょうか」

千葉「はい」

小出「がおっしゃったでしょうか。のは多分原子炉圧力容器と言っている、モノのことだと思います。で、原子炉圧力容器というのは分厚い鋼鉄製の圧力釜ですが。それが劣化をしていくという最大の要因は、中性子被曝をするということにあります」

千葉「はい」

小出「そして中性子被曝をするというのは原子炉が運転中でなければ、起きません」

千葉「はあはあはあ」

小出「ですから停止をしてしまえば、原子炉圧力容器の劣化というものは、もちろんゼロではありませんけれども、基本的に考えなくてもいいと私は思います」

千葉「あのガラスのような状態になってしまうってあの…」

小出「はい」

千葉「前に小出さんおっしゃってましたけど」

小出「そうです」

千葉「そういうことになる要素は少なくなるということですね」

小出「はい。あのようするにまあ、すでに例えば玄海原子力発電所の原子炉は、1号機ですけれども。普通の温度状態ではもうガラスになってしまっているのです」

千葉「はい」

小出「はい。え…でもそれがじいっとそのー、その場にある限りは、え…それ以上にどんどん脆くなるということはありません」

千葉「ふーん」

小出「ですからガラスになったものをとにかく壊れないようにお守りをしなければいけないという仕事は残りますけれども。え…その、劣化が進むということ自身は心配をしなくていいと思います」

千葉「ふむー。でも、解体を…」

小出「はい」

千葉「そのなかで進めていくというのは、そう簡単なことではないんですねえ」

小出「もちろんです。ですから原子力発電所はせいぜい40年しか動かないわけですけれども。その解体をするためにはもっと時間がかかりますし。」

千葉「ええ」

小出「解体をしたところで、放射能は消えませんので」

千葉「ええ…」

小出「その後何百年何千年、そして使用済燃料そのものは、100万年お守りをしなければいけないと。いうものです」

千葉「…100万年…。藤田さん、いかがですか」

藤田「うーん、いやあほんとに。この温度計の問題1つにしてもですね」

小出「はい」

藤田「なんかこう、時間が経てば経つほど、またどんどんその新しい問題がどんどん出てきますでしょ?」

小出「そうです」

藤田「ですからまあ今後、その、数十年となると、まあ、もうどんどんあたらしい問題が出てきそうな気がしますが」

小出「そうですね」

藤田「ええ」

小出「はい」

千葉「次はですね、では小出さん、ラジオネームあめちゃんなげるで、さんというかたからのメールがありまして」

小出「はい(笑)」

千葉「え……『福島の命と未来を放射能から守る会』という市民団体が、南相馬市市営住宅の駐車場から採取した黒い粉末状の物質から1キログラムあたり、108万ベクレルの超高濃度の放射性セシウムが検出されたというニュースが、え……流れているということなんですけれども。この108万ベクレルというのはものすごい高い数字ですね」

=====(文字おこし、続く)

2012年02月24日16:12
南相馬「黒い物質」セシウム108万ベクレル/kg検出「東京などでも特別にそういう
強烈なものが集まっている場所はあるはず」小出裕章2/23(3)
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65791955.html

2012年2月23日(木)、小出裕章氏が、毎日放送たね蒔きジャーナル」に出演。南相馬市で発見された「黒い物質」(通称「黒い粉」)から高濃度のセシウム108ベクレル/kgが検出されたことについて言及しています。

=====(文字おこし、続き)

※「停止中の原発の危険性・原子炉の劣化についての解説 小出裕章 2/23(2)」からの続き。

千葉「え……『福島の命と未来を放射能から守る会』という市民団体が、南相馬市市営住宅の駐車場から採取した黒い粉末状の物質から1キログラムあたり、108万ベクレルの超高濃度の放射性セシウムが検出されたというニュースが、え……流れているということなんですけれども。

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プルトニウム疑惑 高レベル放射能「黒い粉」記者会見 南相馬 α線β線検出方法の説明など(動画)

千葉「この108万ベクレルというのはものすごい高い数字ですね」

小 出「高いですね。え…南相馬市で、それほどの濃度が出るということは、私は、数字を聞いたときには意外に思いましたし、今でも、高すぎるなあという…風に 思います。ただし、え…放射性物質がある場所に濃縮されるということは、自然の減少として生じえますので。それを私たちマイクロスポットであるとか、え、 読んできたわけですね。」

千葉「はい」

小出「で、え…まあホットスポットマイクロスポットと読呼んできたわけですが。そういう現象が起きた可能性はあると思います。」

千葉「ふーん。ということはもうこういうとんでもない状態のところが南相馬のみならず国が、あの、放射能を汚染地図で示した、福島県を始めとした全ての区域で存在するという可能性は考えられるという…」

小出「もちろん、もちろんあります。マイクロスポットというのはどこの場所にも、ありますし。それは比較的汚染の低いと言われている地域、例えば東京などでも、え…特別にそういう強烈なものが集まっている場所はあるはずです」

千葉「うん…。わかりました。どうもありがとうございました」

小出「はい」

=====(文字おこし、ここまで)