シェールオイル生産開始 秋田ガス田 初の商用<東京新聞 2014年4月>

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シェールオイル生産開始 秋田ガス田 初の商用
2014年4月8日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2014040802000113.html

▼全文転載

 資源開発大手の石油資源開発は七日、秋田県由利本荘市の鮎川油ガス田で、地中深くの岩盤に含まれる新型原油「シェールオイル」の商業生産を四月一日に開始したと発表した。事業化は国内で初めて。一日約三十五キロリットルを生産し、石油元売りに供給している。

 東京電力福島第一原発事故以降、エネルギー源の多様化が課題になっている。原油の輸入量に比べると今回の生産量はわずかだが、新たな天然資源の本格活用に向けた技術蓄積の弾みとなる。

 石油資源開発は、商業生産に当たって地上に施設を整備した。事業費や販売価格は公表していない。試験段階の昨年七月までに約千五百二十一キロリットルを生産した実績があり、採算は取れるという。

 鮎川油ガス田周辺のシェールオイル埋蔵量は約五百万バレル(約七十九万五千キロリットル)と推定される。現在の一日当たり生産量は国内で産出され る原油の1%余り。年間を通じて持続しても、二億キロリットルを超える輸入量に遠く及ばないが、村橋庸也(ようや)秋田鉱業所長は「一定期間は連続して生 産できる見込みだ」と述べた。

 一方、同社は秋田県男鹿市の福米沢(ふくめざわ)油田で準備を進めていたシェールオイル生産の実証試験に関し、五月下旬に井戸の掘削を始めると公表した。

 秋田県佐竹敬久(のりひさ)知事は七日の定例記者会見で「地元経済にプラスになり歓迎する」と述べた。

 石油資源開発は二〇一二年十月、鮎川油ガス田で国内初の採取に成功。地下の岩盤の隙間をふさぐ石灰石を塩酸などで溶かす手法で効率が高まり商業生産に踏み切った。

シェールオイル> 泥岩の一種「頁岩(けつがん=シェール)」に含まれる原油。埋蔵量が豊富だが、同じく頁岩内にある天然ガスシェールガス」と ともに採掘が難しいとされてきた。頁岩層に水を送り込んで岩に隙間をつくるなど技術革新が進んだほか、資源価格の高騰で採掘の採算が合うようになり 2000年代から北米で生産が拡大。シェールガスでつくる米国の液化天然ガス(LNG)は低価格で17年ごろ対日輸出が始まる見込みだが、シェールオイル は値下がりしにくく、対日輸出のめどは立っていない。

 

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