中国、大気汚染で肺がん死亡率は世界一 不況こそが公害を減らす? <zakzak 2014年3月>

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【絶望の中韓】中国、大気汚染で肺がん死亡率は世界一 不況こそが公害を減らす? (2/2ページ)
2014.03.26
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20140325/frn1403251731007-n2.htm
▼全文転載

 

 中国環境保護省は、環境対策について、中央政府、地方政府ならびに企業など、中国全体で2017年までに1兆7000億元(約28兆6000億円)を支出すると発表した。

 同時に、主要74の都市で、微小粒子状物質「PM2・5」を定点観測した結果、基準を満たしたのが、わずか3都市だったことも明らかにした。

 中国の大気汚染は偏西風に乗って日本にも飛んでくるから、東京でもPM2・5が観測されるようになり、迷惑このうえない。抜本的に公害対策を実践してほしいものである。大気汚染は肺がんを引き起こすとされ、中国の肺がん死亡率は世界一である。

 環境汚染の原因としては、殺虫剤を混ぜたガソリンがまかり通り、石炭火力発電が全発電の72%を占め、その石炭にはウランが混入しており、河川の汚濁によって生態系が激変したことが挙げられる。

 工場が毒性の強い原材料を垂れ流すので地下水が汚染され、農作物ばかりか魚介類にも甚大な被害が出ている。レアメタル精錬でも毒性の強い化学剤をそのまま使うので地下に染みこみ、河川周辺の住民も井戸水が飲めなくなった。

 植林も進んでいないため保水力がなく、治水は後手後手だ。河川の氾濫が続けば、そのまま汚染水が住宅地や農地に流れ込む。各地に奇病が流行し、鳥インフルエンザが猛威をふるう。

 石炭業界も大問題である。

 火力発電所は都会の真ん中にあるが、煙突が30メートル程度しかない(日本では200メートル以上も多い)、煤煙(ばいえん)、粉塵(ふんじん)をまき散らし、マスクを何枚も重ねないと町を歩けない。

 

 不況に陥って、11年から中国の石炭業界は過剰在庫に悩んだ。山西省の採掘会社「聯盛能源集団」も、1万人の従業員への給与遅配が生じたが、銀行は貸し渋った。民間炭坑は国有銀行からの融資が受けられないため、閉山閉鉱が相次いでいた。

  「聯盛能源集団」は悪化する一方の資金繰りに妙手を思いついた。年利10%前後の高利をうたう投資信託を「発明」したのだ。「吉林松江77号」と名付け、 銀行を通じて「この投資信託は元利保証です」とだまして預金者に売った。これがシャドーバンキング(影の銀行)の最初である。

 鉄鋼業界もひどい。粗鋼生産6億トンという異常な生産過剰、ノルマ方式のため需給関係を無視したせいで、在庫過多に陥った。業界そのものが再編過程にあり、あちこちの鉄鋼工場で火が消えた。

 不況こそが、中国の公害を減らす?

 宮崎正弘(みやざき・まさひろ)  評論家、ジャーナリスト。1946年、金沢市生まれ。早大中退。「日本学生新聞」編集長、貿易会社社長を経て、論壇へ。国際政治、経済の舞台裏を独自の情 報で解析する評論やルポルタージュに定評があり、同時に中国ウォッチャーの第一人者として健筆を振るう。著書に『中国共産党3年以内に崩壊する!?』(海 竜社)、 『世界から嫌われる中国と韓国 感謝される日本』(徳間ポケット23)など。

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