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連載:永田町・霞が関インサイド
北、核実験強行「2・12」のワケ
2013.02.19
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20130219/plt1302190707000-n1.htm
▼全文転載


 北朝鮮は国際世論に抗して核実験を強行したが、なぜ、2月12日だったのか−。

 「わが国の平和的な人工衛星打ち上げを、乱暴にも侵害した米国の敵対行為に対する対応措置の一環」(朝鮮中央通信)というのだ。従って、オバマ大統領が同日に議会で行った一般教書演説(日本の首相施政方針演説に相当)のタイミングに合わせたという見方が支配的である。

 それもある。だが、北朝鮮では「9」という数字がラッキーナンバーであることを指摘する向きはほとんどいない。

 そもそも、故金正日労働党総書記は縁起を担ぐ人物であった。建国記念日が「9月9日」であること、自分の誕生日「2月16日」を足した数が「9」であることから、何か重大なことを行う場合、「9」に照準を合わせる習性があるのだ。

 金正日体制下の事例を挙げる。金正日が元帥に推戴(すいたい)されたのは1993年「4月23日」で、4、2、3を足すと9になる。国防委員長就任は94年「4月9日」であり、やはり下1桁は9である。

 もう少し詳しく見てみる。労働党総書記就任は97年「10月8日」で、1、0、8の合計が9だ。人民軍最高司令官就任は2000年「12月24日」であり、これも足して9になる。06年の核実験実施が「10月9日」、09年のテポドン2号発射は「4月5日」、そして事実上の長距離弾道ミサイルテポドン3号発射も「12年12月12日」で足して9になる。

 これはへ理屈でしかない、と笑ってはいけない。彼らは真剣なのだ。後継者の金正恩第1書記の誕生日も「1月8日」である。金正恩のデビューとなった労働党代表者大会は10年「9月28日」であった。これも足すと、下1桁が9になる。金正日の「10・8遺訓」に従って「11年12月31日」に最高司令官に就任している。そして、第1書記に就いたのが「12年4月11日」である。

 お分かり頂けるように、これは冗談ではない。すべてが「9」という数に収斂するのだ。だからこそ、米国の脅威となった小型化・軽量化した核爆弾(濃縮ウラン型)の地下実験を、足して9になる「13年2月12日」に強行したのだ。

 北朝鮮は「2次、3次の対応」を予告している。金正日誕生日は“不発”だったが、次はいつなのか。

 絶好調の安倍晋三首相ではあるが、実は同氏も「算命学」の見立てによって昨年9月の自民党総裁選出馬を決断したという。験を担ぐのは同じか。(ジャーナリスト・歳川隆雄)

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