全日空、B787ショック 経営戦略に打撃 日航も路線展開に影響か{zakzak}

zakzak
ホーム>http://www.zakzak.co.jp/
全日空、B787ショック 経営戦略に打撃 日航も路線展開に影響か
2013.01.17
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130117/dms1301171826022-n1.htm
▼全文引用

緊急着陸した全日空ボーイング787。現場はただならぬ緊張感に包まれ、787の信頼も失墜した =16日午前(本社ヘリから)【拡大】
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/photos/20130117/dms1301171826022-p1.htm

 緊急着陸などトラブル続きのボーイング787型機について、米連邦航空局(FAA)は日本時間17日、安全性が確認されるまで運航を一時停止するよう命じた。国土交通省も同様の指示をする方針。世界で初めて787を導入し、次の主力機としてアピールしてきた全日空の経営戦略への打撃は避けられない。収益悪化や今後の路線展開への影響など、先行きに暗雲が立ちこめている。

 全日空の787が高松空港緊急着陸したトラブルについてFAAは、発火の危険性が疑われるバッテリーの問題を解消しない限り「(機体の)基幹システムや構造に損傷を与え、電気機器室の火災に至る可能性もある」と問題の緊急性を指摘した。安全性が確認できれば運航再開を認めるとしているが、米当局は今回のトラブルを深刻に受け止めている。

 国土交通省全日空日航に運航差し止めを指示する方針。両社は17日に787の運航を取りやめ、計39便の欠航を決めたが、18日の運航再開も難しくなってきた。

 運輸安全委員会の航空事故調査官と国土交通省の航空機専門職員は17日、メーンバッテリー周辺を中心に機体の詳しい調査を続けた。

 航空業界関係者は「コックピットで煙が上がる事故は成田空港だけでも年間50〜60件は発生している」と明かす。ただ、787に並々ならぬ力を入れてきた全日空にとっては「よくあること」で済まない。同社は開発段階から携わり、機体にも「787」と大きく塗装するなど「787といえば全日空」のイメージを打ち出してきた。

 元毎日新聞編集委員で航空評論家の鍛治壮一氏は「全日空は1960年代に同社初のジェット機となるB727を大量導入したときから、最新鋭の飛行機に社運をかけて会社を拡大させてきた伝統がある。787も、導入を決める時期に日航の経営が傾いていたこともあり、全日空にとってはライバルに先んじるチャンスだった」と指摘する。

 787は座席が広く、耳鳴りを抑える気圧調整や機内の加湿機能など快適な乗り心地で、国際線は格安航空会社(LCC)、国内線では新幹線に対抗する切り札。燃費が20%程度向上したことも燃油価格の高騰対策となり、経営戦略上の武器と期待されていた。

 全日空は現在の17機から今年度末には20機に、来年度末には27機に増やし、将来的には66機の導入を予定するが、問題が長期化すれば、路線展開の見直しを迫られる可能性もある。

 17日、緊急着陸のあった高松空港で、男性会社員(63)は「しばらくは787に乗るのは避けたい」。女性会社員(44)も「身内から787の便じゃないかと聞かれた」と話す。「787を敬遠する乗客が増えれば、業績や経営戦略に影響する」と株式市場関係者は懸念する。

 787は設計上、装置の多くを電力で動かすため大容量のバッテリーが必要で、専門家は「787は電気の化け物」と話す。別の航空業界関係者は「787は評判が良くない。客室の装備の立て付けも悪く『なんでこのまま納入したのだろうか』と思うほど」と打ち明ける。海外航空会社幹部は「性能が安定していない最新鋭機を大量保有するのは経営上のリスクが大きい」と話す。

 ただ、前出の鍛治氏はこう語る。「初期段階のトラブルが頻発しているといっても、燃費など経済性に優れた飛行機であることは間違いない。旧式の機体に戻すわけにもいかず、ボーイング社とともに機体の改修、習熟度アップに取り組んでいくしか道はない」

 787と一蓮托生という事情は、中期経営計画で45機を導入するとしている日航も同じだ。自民党政権法人税の減免措置見直しに言及するなど風向きが変わる中でのトラブル発生となった。

 航空業界歴25年の経営コンサルタント、伊藤弘輝氏は「全日空日航ともに保有機に占める787のシェアは50%を超えておらず、経営に与える影響は少ない」とする一方、こう提言する。

 「トラブルが続けて報道されたことで、利用者に『危ない』という印象を抱かせる結果になった。問題が大きくなっている以上、全面的に点検をし直して、しっかり安全宣言を出すのが賢明だ」
zakzak ホーム>http://www.zakzak.co.jp/


★関連記事
zakzak
B787、発熱しやすいバッテリー原因か 専門家「墜落の恐れもある」
2013.01.17
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130117/dms1301171211015-n1.htm

B787機体から脱出シューター 乗客「墜落するかと…」
2013.01.16
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130116/dms1301161532017-n1.htm

B787またトラブル!緊急着陸で137人脱出、5人ケガ
2013.01.16
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130116/dms1301161533018-n1.htm

ボーイング787、トラブル相次ぐ 日米航空当局調査
2013.01.16
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130116/dms1301161152010-n1.htm

米航空当局、ボーイング787を包括調査へ トラブル受け
2013.01.12
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130112/dms1301121437006-n1.htm



★関連ブログのご案内
福島原発事故と放射能汚染 そしてチェルノブイリ地方の現状(北の山じろう)
☆ホームページのご案内
関東・寄せ集め民報(ニュース・記事)
福島第1原発事故と原発問題、チェルノブイリ原発事故関係情報案内所
福島原発事故と放射能環境汚染・食品汚染・健康被害、チェルノブイリ関連情報案内所