竹中平蔵氏起用をめぐる財務、経産、官邸の深謀遠慮{zakzak}

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竹中平蔵氏起用をめぐる財務、経産、官邸の深謀遠慮
連載:「日本」の解き方
2013.01.10
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20130110/plt1301100708000-n1.htm
▼全文引用

 民主党政権で休眠状態だった経済財政諮問会議が復活した。

 自民党政権下の経済財政諮問会議は、マクロ経済とミクロ経済をバランスよく議論し、経済政策の方向性を国民にわかりやすく説明する場だった。特に小泉政権当時の竹中平蔵経済財政相は会議後すぐに記者会見し、争点を明確に描いてみせ、情報公開の透明性・迅速性を高めるとともに、政策の質の向上にも役立った。

 筆者は当時、経済財政諮問会議特命室に併任され、民間議員ペーパーのドラフト(草稿)を書いた。会議はいわゆるガチンコで、発言できるのはメンバーである閣僚と民間議員に限定される。官僚による事前調整は少なく、会議での発言が重要という意味で、政治家と民間議員による「真剣勝負」だ。

 筆者の記憶に残っているのは、2005年10月27日の政策金融改革での議論だ。これは竹中氏が“ベスト諮問会議”と振り返っていた。財務省所管の日本政策投資銀行経産省所管の商工組合中央金庫が完全民営化の方向だった(その後、民主党政権で完全民営化方針が撤回された)ので、財務省経産省が本気で抵抗した。その会議は本当のガチンコ勝負で、官僚の本気を引き出したという意味で「ベスト」だったのだ。

 官僚などの“抵抗勢力”は公開の場で議論するのを極端に嫌う。経済財政諮問会議は、そうした抵抗勢力を引き出す場としての「アリーナ」だった。そこで議論することで何が問題かを国民に訴えかける意味があった。

 安倍政権では、経済財政諮問会議の復活とともに、産業競争力会議が新設された。その委員の人選過程で興味深いことがあった。経済財政諮問会議の委員については当初、安倍晋三首相が竹中氏を起用しようとしたが断念したともいわれている。郵政民営化で敵対した麻生太郎財務相や内閣参与飯島勲氏、予算に介入されることを嫌う財務省も反対だったと報じられている。

 こうした経緯もあってか、竹中氏は産業競争力会議の委員に内定した。安倍首相から打診を受けた竹中氏は、小泉純一郎元首相に相談したという。すると小泉氏に「安倍首相が言うなら、会議で正論を述べよ」と言われたと竹中氏は筆者に話した。小泉元首相の意向をも考慮して、委員を引き受けたのだろう。安倍首相も政権内の“反竹中”に配慮して、産業競争力会議に落ち着いたのだろう。

 経済財政諮問会議産業競争力会議の事務局は、実質的にそれぞれ財務省経産省だろう。マクロ経済を主要課題とする経済財政諮問会議の委員に、マクロ経済の専門家である竹中氏がおらず、必ずしも専門家といえない伊藤元重東大教授と高橋進日本総研理事長が就任するのはちょっと奇妙な人事だ。

 その一方、産業競争力会議の竹中氏は、官による産業政策、成長戦略をもくろむ経産省にとって目の上のたんこぶだ。実は、竹中氏は官による産業政策に否定的で、大臣在任中も官による成長戦略を作っていない。「官による成長戦略」と「民による構造改革」の対決になるだろう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一

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