IAEA報告の概要について(2011年06月01日 14時37分)

速報なので、不正確な部分もあるかと思いますが、IAEA調査団の報告の概要が、朝のニュースで報道されていました。
概要
①事故対応は、妥当でこれ以上の事は、できない。
②津波の「想定」が、低すぎた。
③3年前、原子力安全・保安院の独立性の確保を(IAEAが)求めたが
実行されていない。
④過酷事故(シビア・アクシデント)の対応・想定が、されていない。

①については、住民の避難は妥当。
現場の対応は、良く遣っている、と言う事のようです。

②について、やはり「事故想定」は、低すぎるとの判定です。東電が「想定外」を連発していましたが、津波については、「低すぎる」との判定です。

③については、自民党政権時代の最大の「過失」と言うより「怠慢」だと、思います。もし、3年前の、IAEAの勧告に従い、原子力安全・保安院を経済産業 省傘下から、環境省などへの配置換えを実行していたら、原子力安全・保安院の機能は強化され今回の事故は、大きく違っていた可能性が高いと思います。

④これが最大の問題で、過酷事故対応の想定・強化もIAEA又は他の国際機関から、勧告が出ていたと思います。
この勧告を、無視していた為、今回の事故発生では、政府・行政に事故対応の組織も人員も装備・資機材も全く、準備されていませんでした。

そのため、民間の東電と下請け会社の「努力」に、「全面的に依存」しているのが現状です。本来、政府・国家行政のなすべき任務を、民間会社に無理やり押し 付け、政府・行政は、何も出来ないと言う、情けない事になっています。知らん振りして、済むような問題では、ありません。今後、厳しく「追及」されるべ き、「大問題」です。

ですもので、大事故が発生した今回は、IAEAの今後、出されるであろう「勧告」を真摯に受け止め、間違っても「無視」する事の無いようにして欲しい、と思います。最大限、又はそれ以上に実施に向けて取り組んでもらいたいと思います。

これまでに、そうしていたなら、今回の事故は発生していなかった可能性が高く、仮に発生したとしても軽微な事故で済んだ可能性は極めて高かったと思います。

この点からも分かるように、今回の原発事故は、完全に「人災」なのです。

どうぞ、この事をご理解下さい。

普通に「過酷事故」対応を想定し、その為の事前の準備をしておく必要があったのに、これを自民党政府は、怠っていた。過去の自民党政府には、このような「大罪」が、あります。

又、監督官庁である原子力安全保安院を「経済産業省」の傘下から離し、環境省など「環境を守る」べき省庁の傘下に配置換えしておけば、当然ながら原子力安 全・保安院の立場は、強化され本来の機能を取り戻し原発をチェックする役割を、少なくとも今よりは、果たすようになっていたと思われます。
これも、過去の自民党政府の「大罪」です。

原発推進の総本山の経済産業省の傘下に、原発を監督する原子力安全・保安院を、そのまま置いて放置していたのは、「政治の大きな怠慢」です。

又、東電においては、東北電力並みの「災害想定」をしていたなら、事故がここまで、大きな事故にはならなかったであろうと言う意味で「大きな過失又は、怠慢」があります。
東電には、もう一つ「怠慢」が、あります。
それは、「外部電源」の喪失です。東北電力では、外部電源の喪失は、ありませんでした。

東電が、「外部電源」を喪失した理由は、送電鉄塔の地震による「倒壊」です。
ところが、地震による倒壊は、これが2回目なのです。
1回目の倒壊の時に、耐震性を強化し、作り直しておけば「外部電源」の喪失は、無かったと思われます。

この意味で、東電は二重の「怠慢」を、犯しているのです。
「想定外」などと言い訳できる、はずもありません。

政府、原発行政、原発業界の猛反省を求めます。


<追記>
今回、速報では出てきませんでしたが、もう一つのチェック機関である、「原子力安全委員会」の怠慢についても、正式の報告書では、触れて欲しいと思います。

過酷事故(シビア・アクシデント)とは、今回の福島事故のように事前に準備しておいた手段が失われる事故の事を意味します。

普通の国では、当然、この非常事態に対し「多い、少ない」は、あれ
何らかの準備を、しています。
分かりやすい例では、アメリカ政府は、万一の事態に備え、対放射能作戦用特殊部隊500(450?)人を、日本に派遣して待機させていました。

従って、今回、東電と下請け会社の社員のやっている危険な仕事は
仮にアメリカであれば、アメリカ軍の特殊部隊が遂行していると思われます。

原発建設が「国是」なら、当然の事です。
このような事を、日本政府・行政は、完全に怠ってきたのです。
だから、「大罪」と申しております。

2011年06月01日 14時37分

 

 

 

2012-02-07 09:55:24 | 福島原発事故
http://blog.goo.ne.jp/kg7n-oka6re4bl_kd6b-ra6bi_4eg/e/196cb1dba23b5492ec4f2f0c7bdc8aac