東電と原子力安全・保安院の大罪 2011年03月29日 18時54分

 
(趣味人倶楽部の日記から)
東電と原子力安全・保安院の大罪 2011年03月29日 18時54分


「大津波再来の恐れ、09年に指摘=東電、津波想定に反映せず―審議会で」というニュースについて

私は、日記のなかで繰り返し東電と原子力安全・保安院を批判し続けていますが、その理由は、今回の原発事故が、東電の社長の釈明のなかにあった「災害によりやむを得ない事」ではなく、『人災』であると考えている為です。別に東電に、恨みや憎しみが有る訳では、ありません。
 『人災』であると考える理由は、東電の「災害想定」が(私の推測)コスト的理由により極めて貧弱な「災害想定」にされてしまい、この事が今回の原発事故を発生させてしまったと考えるからです。
 この点を曖昧にしたまま時が経てば、日本の各地に点在する原発においても、「災害想定」が低いまま運転が継続され、将来再び何らかの事故の発生する危険性が、高いと考えるからです。
 私は、これまで原発に余り関心が無く、政府の広報の通り「日本の原発は安全である」・「資源の乏しい日本にはエネルギー安保の観点からも原発は不可欠である」・「原発はクリーンなエネルギーである」など、この程度の知識しかありませんでした。
  しかし、一旦事故が発生したならば現状のとおりです。既に、発生している原発事故の金銭的被害は今の段階では、誰も計算できないと思います。風評被害は、 福島県の農産物のみならず日本製品・観光の分野でも発生しています。ある大手旅行会社の社長によると、原発事故以降、外国からの訪日は、「ゼロ」だそうで す。
 更に、現在、原発事故により避難生活を強制されている福島県の方々のご苦労・心痛を思うと、私はお気の毒でなりません。おまけに避難指示の 距離の設定が妥当なのか?と言う問題も有ります。福島県及び周辺各県の方々は、上記ご苦労の他、(経済と言う意味での)生活の心配・将来の健康被害の心配 もしなければならず
諸々合わせて、一体どれだけの被害を今回の原発事故がもたらしたのか見当もつきません。
 以上、長々と書いてきたのは要するに、「原発はウルトラ危険な巨大施設である。」と言うことを、言いたかったのです。
  このように「ウルトラ危険」で「巨大な施設」を、運営・管理する以上は、細心の注意と事故・災害に対する万全の備えが必要なのは当然のことです。それが出 来ないのなら、原発を建設したり、利用したりすべきでは無いと、自分は考えます。「やるなら、キッチリやれ!」と言う事です。
 今回の事故後、NHKの報道のなかで、東電の「災害想定」が報道されましたが、それによると地震強度でマグニチュード8・0、津波潮位は6M弱と言うのが東電の『災害想定』です。これで『災害想定』といえるのか? とても「災害想定」とは言えません。
  インターネットで調べたところ、20世紀以降だけでM8以上の地震は沢山、発生しています。明治29年の三陸津波では、最大潮位38メートル、14メート ル超・20メートル超の潮位が軒並み記録されています。こんなことは、地震・津波災害研究者の「常識」と思われ、学者・研究者も参加して「災害想定」なる ものを、作成したのであるから東電は、当然知っていたハズです。
 今回の原発事故は、東電の津波想定が6メートル弱と「低きに過ぎた」事が原因であり、「災害」では在り得ず、『人災』と断定できます。
 これを、認可した原子力安全・保安院(=国)も同罪です。
 以上の事実を明確に認識したうえで、学者・研究者・技術者等で第三者委員会のような組織を作り、今後の日本の原子力行政をどうするのか?(原発の廃止も含めて)、一から再度、慎重に検討したうえで将来の方針を決定していただきたいと思います。
  更に、他の原発においても東電と似たような『災害想定』が為されていると思われ、早急に各原発の『災害想定』を調査し、(当然、不備だらけだと思います が)不備があれば、即、改善を指導していただきたいと思います。又、各電力会社にあっては即、『災害想定』を再点検し対応していただきたいと思います。