東通原発:活断層認定 審査、一転安全姿勢 規制委が東北電批判−−有識者会合 /青森<毎日新聞 2012年12月27日

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東通原発:活断層認定 審査、一転安全姿勢 規制委が東北電批判−−有識者会合 /青森
毎日新聞 2012年12月27日 地方版
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▼全文転載

 

東北電力東通原発の敷地内断層を調べる原子力規制委の調査団ら=東通村で14日、代表撮影

http://mainichi.jp/graph/2012/12/27/20121227ddlk02040066000c/001.html

 東北電力東通原発(東 通村)の敷地内に活断層があると認定した原子力規制委員会の有識者会合。26日の会合で初めて意見を述べた東北電力は「活断層ではない」と従来の説明を繰 り返したが、専門家は「否定する明らかな証拠がない限り、活断層として影響を評価すべきだ」との見解で一致した。全国の原発で「証拠不十分」として活断層 を認めてこなかった過去の国の審査から転換し、“疑わしきは罰する”という、より安全側に立って判断する規制委の姿勢が示された。

 一方で、活断層ではあるが、活動度の最も低い「C級」であることでも一致した。今後は、建物などの耐震安全性にどの程度影響するかが焦点になる。

 会合には、東北電の梅田健夫副社長や三和公・土木建築部課長が出席。断層の深い部分が固まっていることなどを理由に「活動性はなく、地層が水を吸って膨らんだ『膨潤(ぼうじゅん)』による」と従来と同じ説明をし、「不十分な点は再調査する」と訴えた。

 これに対し、島崎邦彦委員長代理は会合中2回にわたり「活断層の可能性がないということを示してほし い」と東北電に注意。「膨潤説で説明しきれない限り、活断層の可能性は残る」(粟田泰夫委員)、「決して大きな活断層ではない。活断層という前提で反映し てほしい」(金田平太郎委員)など委員全員が活断層としての評価を求めた。

 佐藤比呂志委員は「原子力という危険なものを安全に扱うという本質から考えれば、活断層の可能性を(調 査などで)具体的なデータを取得して議論することが必要。『絶対に可能性がない』として初めからデータを整理しない、そういう姿勢で本当に安全に原子力が できるのか」と東北電の姿勢を厳しく批判した。【酒造唯】

 

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