TPP交渉参加にも反対の自虐思想 非論理的な政治家は期待薄 連載:「日本」の解き方{zakzak}

★これは、多くの経済学者の言うところです。しかし、日本政府が「国民の利益のために」交渉する保証がありません。他国の利益のために、妥協する恐れの方が大きいと思います。それは、現在の外交姿勢を見れば明らかだと思います。そう考えるから、国民の側を向いた学者や識者は、「交渉自体に参加するべきでない」と、主張しています。そして、参加を主張する学者や識者の背景を、見るべきでしょう。この記事の学者は、小泉路線の支持者と思われます。


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TPP交渉参加にも反対の自虐思想 非論理的な政治家は期待薄
連載:「日本」の解き方
2012.12.09
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20121209/plt1212090710002-n1.htm
▼全文引用

 筆者は、かつてテレビ番組で、「TPP(環太平洋戦略的経済連携協定交渉参加は合コンと同じようなものだ」と発言した。このような表現をあえてテレビで行ったのは、今のTPPに関わる政治家の発言があまりにお粗末だからだ。

 まず、TPP反対という人のかなりの部分はTPPの内容に反対しているようだ。TPPはこれから交渉するので以下の段階で中身はおおざっぱにしかわからない。関税撤廃というが、交渉前のスローガンであり、「原則」関税撤廃という程度だ。各国ともに原則に則しながら例外を作るのが交渉である。「例外のないルールはない」ということわざは正しい。

 今の段階で議論すべきは、TPPの中身ではなく、交渉に参加すべきかどうかだ。しかし、TPPの中身に反対していた人は、論点が違うとわかっても振り上げた拳を下ろせずに、交渉にも参加すべきでないと言う。

 その前提として、(1)TPPの中身は既に決まっている(2)TPP交渉は必ず負ける(だがEPA、FTA交渉は必ず勝つ)(3)交渉参加すると抜けられない(4)外国の言いなりで国会でも批准させられ、国内法が改正される−などだ。

 筆者は財務省にいたので国際交渉の経験は多くはないがある。その時の経験でいっても、これらの前提は間違いだ。TPPの中身が決まっていれば交渉する必要はないし、そもそも誰が決めたのか。TPP交渉に参加すると必ず負けるというが、極論だ。

 TPPについて各国からデータを持ち合った世界モデルがあるが、各国ともWIN−WINの関係になっている。それはここ200年くらいの経済学の人類への最大の貢献といわれる自由貿易理論からも結論は支持される。普通に交渉さえすれば日本だけが一方的に負けるのはありえない。日本だけ交渉で負けるというのは自虐的な世界観だ。その一方で、鎖国状態になるのは回避するためEPA、FTAの積極参加というが、それらは必ず日本が勝つのか。

 交渉参加すると抜けられないというのもあり得ない。政府の交渉役や相手国の交渉当事者が言うことは交渉テクニックとしてあり得ても、国の判断としてはありえない。実際、ドーハラウンドではインドなどが途中抜けていまだに協定ができていない。外国の言いなりで国会批准や国内法改正が行われるに至っては開いた口がふさがらない。そのような主権侵害はありえない。

 TPP交渉参加にしても、誘われれば行くし、誘われなくても参加できる。とりあえず行かなければ相手の条件も分からない。とりあえず出て行き、もし条件が気に入らなければ断り、国益をもたらすものであれば交渉を進めればよい、最終的には国会で判断するというだけの話だ。

 TPPは交渉参加なら選挙の争点になりえないものだ。こうしたまったくロジカルでない話を堂々とできる政治家はそのほかの点でも期待できないので、有権者はその点を判断材料にできるだろう。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一
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高橋洋一 (経済学者)<ウッキペデイア>
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E6%A9%8B%E6%B4%8B%E4%B8%80_%28%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%AD%A6%E8%80%85%29