大手家電メーカー壊滅状態!何が日本企業を殺すのか ★[5年以内に消える会社]の判断基準{ZAK×SPA!}

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ZAK×SPA!
アナタの会社は大丈夫?“消える会社”の共通点
★[5年以内に消える会社]の判断基準
2012.11.20
▼「ZAK×SPA!」から全文引用

(1)http://www.zakzak.co.jp/zakspa/news/20121120/zsp1211201131001-n1.htm

 ’07年度には1019億円の最高益を出していたシャープが、’11 年度には3600億円という過去最高の赤字会社に転落した。最盛期のわずか4年後の悲劇である。

 誰もが「安泰」と思っていた大企業が、突然倒産したり、経営難に陥ってしまう−−今やそんなケースを聞いても驚かない時代になった。海外との競争、景気低迷や少子化による国内需要の冷え込みなど、日本企業を取り巻く現状はきわめて厳しい。転職支援サイト「キャリコネ」の各務正人代表は「業界の6〜7番手あたりにいる企業は、この5〜10年のうちに再編の対象になってもおかしくない」と話す。

 転職サービス「DODA」が昨年行った調査によると、転職希望者の「転職理由」第1位は、キャリアアップでも年収アップでもなく「会社の将来性が不安」(14・2%)だったという。少なからぬ人が「自分の会社はいずれ潰れるかもしれない」と考えているのだ。

 では、5年先まで生き残れる会社と、生き残れない会社の違いとは、一体何なのだろうか。本特集では、渦中のシャープ社員の“教訓”も交えながら、ダメになりやすい会社の共通点を、産業構造、企業風土、財務状況などの観点から探っていく。あなたの会社は大丈夫だろうか?【続きを読む】

大手家電メーカー壊滅状態!何が日本企業を殺すのか
http://www.zakzak.co.jp/zakspa/news/20121120/zsp1211201129000-n1.htm

 シャープの急激な業績悪化の背景には「〈総合家電メーカー〉という業界全体が末期を迎えている」という“現実”がある。

 「日本の家電メーカーは本当に八方ふさがり。従業員に中高年が多く、その人件費を全部抱えているので、台湾や韓国にコスト面で太刀打ちできないのは当然です。同じ製造業でも、自動車メーカーの場合は部品がアナログの技術で作られているので簡単にはコピーできない。そこに競争力があるわけですが、家電の場合はモジュール化した部品を機械的に組み立てれば商品が完成するので、熟練工でなくても作れてしまう。そこを、台湾や韓国の若い労働力に持っていかれた」と、投資ブロガーの藤沢数希氏は解説する。

 経営コンサルタント鈴木貴博氏によると、家電メーカーに限らず、日本の製造業を“消滅”に追い込み得る状況は、大きく3つのパターンに分類されるという。

 (1)は「ゲームのルールの変化」。前述のシャープのように、「性能差で勝負する」というルールが、いつの間にか「スケールメリット(大量に生産してコストを下げる)だけで勝負する」というルールに変わっていたという例だ。世界を相手に戦う日本企業は皆、この苦況に直面している。

 (2)は、経営用語で「イノベーションのジレンマ」と呼ばれるもの。代表的なのが、任天堂などの家庭用ゲームがスマホゲームに取って代わられた例だ。

「性能の低いところからやってきたスマホゲームが、性能が高い家庭用ゲームを破壊してしまうというジレンマです。任天堂では、これまで独自のハードを提供し、そのハードでしか動かないゲームを売るというビジネスモデルで儲けてきたので、そうそうスマホには舵を切れない。かといってスマホの普及を食い止めることもできないので、対抗策が取りづらいのです」(鈴木氏)

 イノベーションのジレンマは、ボイスレコーダーやカーナビなど「スマホでも用が足りてしまう」さまざまな分野において進行中だ。

 そして(3)が「商品自体が別の商品に置き替わる」という事態。

 「もっとも影響が多いのは、自動車から電気自動車へのシフトでしょう。自動車メーカーの下には膨大な数の部品メーカーがあり、それが膨大な雇用を生んでいますが、自動車が電気自動車にシフトすることで要らなくなる部品が出てくる。エンジンや変速機関連の部品メーカーは厳しいでしょう」(同)

 いずれも、乗り越えるのは簡単ではない状況だ。だが、炭鉱が行き詰まってリゾートホテルを立ち上げた「スパリゾートハワイアンズ」のように、まったく畑違いの事業で生き延びた例もある。液晶パネルにしても、かつて「Wooo」ブランドを展開していた日立はあっさり液晶から手を引き、情報・通信システム事業で業績を伸ばした。目下、最高益を更新中だ。

 当たり前のことだが、同じ厳しい状況に置かれていても、経営判断によって明暗は分かれる。次回は、「暗」に陥りやすい会社の共通点を探っていきたい。

最後に、藤沢氏はこう提言する。

 「自分の会社が八方ふさがりだからといって、慌てて逃げ出す必要はないと思うんです。元気のいい会社だって、内情はブラックだったりする。30年間生き残れそうなブラック企業と、死にかけのヌクヌクとした大企業とどっちがいいのかって話ですよね。少なくとも、会社都合で割増退職金がもらえる状況で辞めるべき。JALの社員なんて、割増退職金の数千万円が不満で裁判を起こしているくらいで、人間って強欲になれば、死にかけの会社からでもたっぷり搾り取れるんですよ」

 ■鈴木貴博氏 事業戦略コンサルタント。百年コンサルティング株式会社代表取締役。著書に『「ワンピース世代」の反乱、「ガンダム世代」の憂鬱』(朝日新聞出版)ほか

 ■藤沢数希氏 外資金融勤務。主宰するブログ「金融日記」は月間100万PV、ツイッターのフォロワーは7万人に及ぶ。最新刊『外資系金融の終わり』(ダイヤモンド社)が発売中【続きを読む】

“見たいものしか見ない”経営者が会社をダメにする!
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 前回で挙げたような「時代の変化」はある意味「天災」。天災は避けがたいが、天災に対する判断ミスは「人災」だ。事業再生のスペシャリストとして、数々のダメ企業に携わってきた島出純次氏に「人災」を招きやすい企業風土について解説してもらった。

 「経営難に陥っている企業をこれまで何社も見てきましたが、共通する問題点の根底にあるのは『経営者もやはり人間である』という事実。感情を押し殺して、やりたくないリストラをやらなくてはならないような場面でも、今までやったことがないので気が進まないという感情に負けて、決断を先延ばしにしたまま今に至る……というようなケースです。そういう会社に見られる典型的な“症状”は、働かないベテラン社員が堂々と放置されていること。若い社員がそれに対して不満を表明しても『そんなこと言わずに皆で頑張ろう』などと言って逃げる。このように感情に流されがちな経営者の下では、常識に照らして考えると『なんだよソレ』と言うしかない、妙な経営判断が下されがちです」

 感情に流されやすい経営者ほど、「自分が見たいようにしかモノを見ない」のも特徴だ。

 「新しいことに対しては、とにもかくにも拒否姿勢を示す。新しいことを正しいと認めると、自分たちのやってきたことが間違っていたように思えるのでイヤなんですね。なるべくなら、今まで儲かってきたことを続けて、これからも儲けたい。その環境を守るためだけに全力を尽くすんです」

 かつての優良企業が窮地に陥る、代表的なパターンのひとつだ。

 「自分が見たいようにしかモノを見ない経営者は、ユーザーの嗜好の変化や価格感度の変化などにうまくリーチできなくなってしまう。ユニクロが有名になり始めたころ、『戦っている土俵が違う』とか言って無視していた百貨店の経営者がいたのですが、本音は『戦っている土俵が違うと思いたい』ですよね。結局、今や百貨店にユニクロがテナントとして入っている時代になりました」

 この手の経営者は、慣れ親しんだお金の使い方を変えようとしない−−と島出氏は続ける。

 「すぐれた技術で性能の高い商品を開発して勝負していた会社が、ユーザーにしてみればオーバースペックになっているのに、それでも開発を続けてより高い技術を作ってしまうとか。商品が成熟したら、今後はいかに効率よく売るかというようなことにシフトしなければならないのに、それでも開発にお金をかけたいんですよね」

 これまたどこかで聞いた話だ。

 「いざとなったらなんでもできる、やればできるんだという言い訳をしつつ、でも失敗するのがイヤなのでやらない。現実を見ないふりをして選択を先送りし、『時期が悪い』とか理屈をつけて己の怠慢を正当化する。経営破綻に陥りやすい会社のメンタリティって、『ニート』に似たところもありますね」

 次ページでは、そんなダメ会社の共通点をさらに詳しく見ていきたい。当てはまる内容が多い会社は、仮に今儲かっていたとしても、何かのアクシデントに見舞われたときに、突然「消える」恐れあり、だ。

 ■島出純次氏 企業再建のスペシャリスト。慢性的な営業赤字に陥っていた老舗企業にて常勤取締役を務め、黒字転換および4年連続で成長させた【続きを読む】

“説明しない”ダメ経営者 質問はシャットアウト
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 会社を経営破綻に追い込む経営者は、感情で物事を判断する。それが端的に表れるのが「社員とのコミュニケーションを避ける」という態度だ。

 「ダメな経営者にとって一番イヤな質問は『なぜ?』。論理的な理由がないことが露呈すると恥ずかしいからです。ではどうするかというと、何も言わない。社員に具体的な情報を与えないんです。意味不明な人事異動や組織変更があっても、周辺の人はおろか当事者にまで何の説明もしない。積極的に説明をしないことで、質問をシャットアウトするわけです」(前出の島出氏)

 このような情報統制が行われている会社では、社員が「NO」と言えない空気が醸成されていく。

 「その結果、くだらない慣習や時代遅れの価値観がまかり通っています。異常に早い朝礼や社歌などに誰もヘンだと言えない。高卒と大卒で職種に線を引いたり、中途採用社員を採っておきながら『外の人』として完全に信用しなかったりなど、昭和的な暗黙のルールも散見されますね」

 さらに、社長や幹部の年収を、ほかの社員はまったく知らなかったりする。

 「’10年以降、上場企業では1億円以上報酬を得ている経営者はそれを公開しなければならないことになったのですが、それに反対した経営者はすごく多かったんです。『社員に見られている』というプレッシャーがかかるので。破綻する会社では、破綻寸前でも社長の年収が7000万円くらいあって、それを知っているのは経理部長だけ……みたいなことがままある。結局、自分のフトコロが痛まない限り、会社の業績が悪化しても経営者はさほど危機感を覚えないんです。よって、秘密主義で、給料もたっぷりもらっている経営者は、真剣に市場を見なくなってしまうわけです」

 ■大ナタをふるわずちまちまコスト削減 

 コスト管理のバランスが悪いのも、“対話しない”経営者の特徴だ。

 「瑣末なコストカットはラクなので、嬉々としてやるんですよ。コーヒーメーカーやフロアマットを撤去するとか(笑)。一方、行動経費の管理はユルユルで、いまだにタクシーやバイク便が自由に使えたり、気軽に出張に行けたりする。禁止して社員に文句を言われるのがイヤなんですね。社員も会社の雰囲気に乗じて金銭感覚が麻痺してしまい、2日間しか使わないレンタカーを“念のため”に1週間借りるなど、プライベートでは絶対にやらないようなことをやらかすようになる。こうしたムダ遣いは当然経営を圧迫します」 ある会社では、従業員の満足度調査を行うために、コンサルティング会社を使おうとしていたという。島出氏が「10人ずつ呼んでランチでもすればいいのでは?」と提案すると、あからさまに消極的な反応が返ってきたとか……。かように、対話を嫌う経営者は多い。社長から飲みに誘われて「ウザい」と思っている人! あなたは恵まれているかもしれないのだ。【続きを読む】


中身がダメでも消えない会社…銀行、生保、鉄道
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 不公平な話だが、中身がダメな会社でも、消えずに生き残りやすい業界というものが存在する。

 その筆頭は「銀行」だ。

 「日本の銀行は2周遅れで世界の銀行と肩を並べるくらいの利益を出しています。儲けの手段は〈国債を買う〉と〈高齢者に投資信託を売りつける〉の2つ。前者については、彼らは日本の財政破綻のリスクを取っているわけです。財政破綻が起きなければ儲かり続ける。財政破綻が起きたらおしまいだけど銀行が直接損失をかぶるわけじゃない。いわば将来の損失を日本国民に押し付けて自分たちは儲けるというビジネスで、すごく不健全だけど100%の勝ち戦。これのおかげで銀行はあと10年は安泰でしょう」(前出の藤沢氏)

 前出の島出氏は「先行者利得」の優位性を強調する。

 「例えば、自販機って一度置くとひっくり返すのにもお金がかかるので、先に置いたもの勝ちなんです。ほかにもニッチな香料・嗜好品や人気の海外ブランドの販売権を早期に押さえたりした会社は、極端に言えば過去の一人の功績で今の数百人も食えたりする。先行者利得が効くビジネスをやっていると、他社が競争する気力も資金力もなくなるほどに有利なんです」

 生命保険のように「お上に守られている業界」も強い。

 「金融庁の指導の下、財務健全性を守りつつ皆が儲かるように統制されているので、強力な外資がやってこようがネット生保が参入しようが、既存の生保は変わらず安泰です」(島出氏)

 その他、新規参入がない「(都市部の)鉄道」、商品が値崩れしない「製薬」(薬の価格改定は年1回)などが、ダメな会社でも生き残りやすい業界として挙げられるだろう。【続きを読む】

“消える会社”危険度チェック! こんな会社がヤバい
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 ■あなたの会社の「突然死」危険度チェック

 □働かないベテラン社員が堂々と放置されている

 □「新しいこと」が受け入れられにくい雰囲気がある

 □「仕事をしたふり」がまかり通る。どうでもいいことを延々と議論したり、形ばかりの作業を優先して、本来やるべきことをしない人間が多い

 □「何か言われるまで放っておく」のが許されるカルチャー

 □新しいムーブメントを見て見ぬふりをする。言い訳は「マーケットが違うから」

 □儲かっている時期に、それにあぐらをかいて次のステップへの模索を続けようとしない

 □今まで主力だった商品が成熟市場になってしまっても開発費をかけ続けるなど、慣れ親しんだカネの使い方を変えようとしない

 □なんの説明もなく意味不明な人事を行うなど、社員に対する情報開示が少ない

 □「今は皆で力をひとつに合わせよう」など、経営者のメッセージがとことん抽象的

 □経営者と社員が直接コミュニケーションを交わす機会が少ない

 □経営者や幹部の年収を知らない社員が多い

 □上層部の人間がミスをしても無罪放免。責任は取らないし、あやまりもしない

 □学閥がある、中途採用社員を「外部」扱いして冷遇するなど、ヒエラルキー意識が高い

 □異様に早い朝礼、社歌の頻繁な斉唱など、時代遅れの習慣に対して誰もNOと言えない

 □コーヒーメーカーやフロアマットの撤去など、瑣末なコストカットで満足している

 □タクシーやバイク便を自由に使えるなど、行動経費の管理がユルい

 □飛行機を正規料金で乗るなど、社員の金銭感覚がマヒしている

 □安易に外注を使う。何かにつけ、自分たちでやってみようという意識が低い

 □人件費のカットを面倒くさがる。言い訳は「社員のモチベーションが下がるから」

 □能力のない2世を社長に据えて放置するなど、オーナー 一族が暴走している

 【診断】チェックの数が……
 0〜5[危険度低] まずまず健康
 6〜10[危険度中] ほそぼそと生き延びられそう
 11〜15[危険度大] 5年以内に突然死
 16〜20[危険度MAX] まだ生きているのが奇跡

 取材・文/上野 智 江沢 洋 田中麻衣子 古澤誠一郎
 イラスト/もりいくすお 図版/松崎芳則(ミューズグラフィック)
 写真/読売新聞社 アフロ 取材協力/キャリコネ メディアパーク