前原大臣発言、「閣内不一致」の声も｛TBS News ｝

TBS News
前原大臣発言、「閣内不一致」の声も
２０１２−１０−２３
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye5162910.html
▼「TBS News」から全文引用〜ＵＲＬ　に動画あり

　野田内閣が抱える火種がまた一つ増えました。検査入院していた田中法務大臣が２２日夜、退院しました。野党側は辞任を求めて厳しく追及する構えですが、これに加え、前原国家戦略担当大臣の「解散」をめぐる発言が与野党に波紋を広げています。

　それは２２日午後６時すぎのことでした。後部座席に姿を見せた田中法務大臣。

Ｑ．辞任する考えは？
　「ありません」（田中慶秋法務大臣１９日）

　４日間の検査入院を終えた田中氏はそのまま議員宿舎に直行。「辞任」を求める声が日に日に強まります。

　「政治家の出処進退については自ら決めていただく」（民主党輿石東幹事長）

　退院直前、田中氏は職務を続行する考えを周囲に漏らしていて、２３日の閣議にも出席する考えだといいます。辞任の意向を見せない田中法務大臣。しかし、野田政権が抱えるリスクはそれだけではありません。

　「個人的なお話だと。解散を決めるのは総理大臣」（藤村修官房長官）

　藤村官房長官が厳しく打ち消すのは前原大臣のこの発言です。

　「年明けに解散して“近いうちに”とは言えないでしょう。総理は自分の言葉に責任を持つ、信義を守る方だと思う」（前原誠司国家戦略担当大臣２１日）

　先週の党首会談で野田総理が野党側に明示しなかった「解散」時期について、年内との見方を示したのです。閣僚の発言に政府・与党内にも困惑の声が広がります。

　「前原は辞めない慶秋（法務大臣）よりもやっかいだな。総理の解散権を縛るようなことを身内が言うなんて・・・」（民主党関係者）

　これまでも前原氏の発言は随所に物議を醸してきました。野党だった３年前には、当時の麻生総理に対し・・・

　「総理はやるやる詐欺の常習犯ですよ」（ ’０９年２月）

　「“やるやる詐欺”の常習犯」と厳しく非難しました。政権交代後には国土交通大臣に就任し、八ッ場ダムの建設中止を明言。

　「マニフェストに書いてあるから中止」

　しかし、野田政権になって事業継続が決定すると、公然と不満を口にしました。

　「政権交代の理念が骨抜きになったのでは。国交大臣を１年間務め、政調会長をしているものとして、責任は感じます」（去年１２月）

　党内を二分したＴＰＰへの参加交渉についての議論でこんな発言もしています。

　「事実でないことへの恐怖感、私は『ＴＰＰお化け』と呼んでいる」（去年１０月）

　その前原氏、改めて２１日の発言の真意をただしてみましたが・・・

　「昨日話したとおり。私の考えは変わっていない」（前原誠司国家戦略担当大臣）

　あくまで考えを崩しません。さらにこの発言は２１日に突然言い出したモノではないという話が・・・

　「土曜日に前原大臣が・・・」（自民党甘利明政調会長）

　自民党の甘利政調会長によりますと、前原氏が近寄ってきて「解散」について話し出したというのです。

　「（前原氏は）『解散はそんなに遠くないんですよ』と。『近いうちっていつ？』と聞いたら『それはどう考えたって年内です』と」（自民党甘利明政調会長）

　野党の幹部に同様の話をしていたというのです。

　２２日は自民・公明以外の野党と党首会談を試みた野田総理。その中でも前原氏の発言は話題になったといいます。

　「閣僚が解散時期について言及するのはいかがなものかと思う」（某党首）
　「私もそう思います」（野田佳彦総理大臣）

　政府・与党幹部が前原氏の言動を苦々しく思う一方、野党側は・・・

　「（前原氏が）『普通に考えれば年内だろう。総理はそのように考えている人だ』と発言し、岡田副総理は『そんなことはない』と、これは日本語では『閣内不一致』という。民主党が正しいと思うなら堂々と信を問えばいい」（自民党石破茂幹事長）

　前原発言を取り上げ、政権の揺さぶりをかけ始めました。

　田中法務大臣の処遇も進展を見ない中、今度は前原大臣の野党も巻き込んだ「解散」発言に野田内閣は揺れています。（23日00:23）