冬の電力 脱原発へ取り組み強め{信濃毎日新聞}

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冬の電力 脱原発へ取り組み強め
10月22日(月)
http://www.shinmai.co.jp/news/20121022/KT121019ETI090006000.php
▼「信濃毎日新聞」から全文引用

 沖縄電力を除く電力9社の今冬の電力需給見通しが出そろった。供給余力を示す予備率は、最低限必要とされる3%を各社とも上回っている。

 福島原発の事故以来、夏と冬の電力需要期はこの冬で4シーズン目になる。省エネ、節電を定着させ、脱原発へ確かな一歩を刻むときにしたい。

 国内の商業用原発50基のうち、いま動いているのは関西電力大飯原発の2基だけ。9社が示した見通しには大飯以外の原発の稼働は織り込まれていない。

 予備率を会社別に見ると、来年2月時点で東京は9・4%、中部は6・6%、関西は4・1%などとなっている。

 九州は3・1%と9社の中では比較的厳しい。それでも、他社からの電力融通でどうにかしのげそうな水準である。

 計画停電や節電目標の設定といった緊急策は、今のところ考えなくてもすみそうだ。

 注意が要るとすれば北海道だろう。予備率は5・8%と余裕があるようにみえるものの、電力融通を受ける設備が十分整っていない。冬の厳しい北海道のことだ。停電になったら影響は大きい。

 ただし、電力会社の需給見通しは原発再稼働につなげる思惑があるためか、厳しめの数字を出してくる傾向がある。例えば昨冬の関西電力だ。最大で8・0%の電力不足になると言っていたのに、終わってみれば電力使用率は最大でも93%だった。

 福島原発の事故以来、省エネ意識は着実に浸透している。企業分野でも、需給が厳しいときに電力使用を抑える「計画調整契約」や、電力会社が節電に対価を支払う「ネガワット取引」が広がりを見せつつある。

 政府は有識者による検証委員会で各社から示された数値をチェックし、今月下旬に政府見通しとしてまとめることにしている。電力需要が過大に見積もられていないか、検証委員会はしっかり調べてもらいたい。

 福島の事故を経て、国民が原発に向ける目は大きく変わった。野田佳彦首相も認める通り、新しい原発を造るのは事実上、不可能な状況にある。

 原発稼働を最大40年間とするルールを適用していけば、日本はいずれ原発ゼロの社会になる。原発に代わるエネルギーを育てていくほかに道はないのだ。この冬から来年の夏、さらに次の冬へと、節電、省エネ、自然エネルギーの取り組みを重ねていこう。



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